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縄張り

縄張り なわばり Territory
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

テリトリーともいわれる。ある資源を競合する相手からまもり、これを独り占めする一定の勢力範囲のこと。縄張りという言葉は、もとは縄をはって占有する領域の境をしめしたことに由来する。

動物の世界では、どうしても必要な餌(えさ)や繁殖のための営巣場所などを手にいれるための仕組みのひとつをいう。概してオスは縄張りをめぐって競争し、実際にたたかうか、力をためすために儀式的な戦いを演じる(攻撃)。力の弱い個体は縄張りがつくれず、あるいは、このましくない場所にしか縄張りがえられない。

縄張りは、もっとも強いもの(またおそらくもっとも適したもの)に対して平均よりも多く資源を配分し、適応性がおとるものの繁殖を制限する働きがある。

II

エドワーズの仮説

縄張りからしめだされた動物は、群れのために犠牲となると考えられた時期もあった。

その代表的提唱者だったイギリスの動物学者ベロ・ウィン・エドワーズによれば、このような集団選択(自然選択)という形式は、の優秀な遺伝子を蓄積するために進化したものであるという。

実際にはこの仮説は不正確であることがわかった。しかしある種の動物には、他の仲間のために自分の命や繁殖の機会を犠牲にするという利他現象がみられる。エドワーズの仮説は、利他現象を遺伝学的に説明するきっかけとして、重要な役をはたした。

エドワーズの仮説がきっかけとなり、現在主流の「血縁選択」説や「相互利他現象」、また進化は、集団ではなく個体にはたらきかけることを示唆する他の仕組みが発見されたからである。

動物の行動社会生物学

III

縄張りと行動圏

動物の多くは採食や繁殖など生きていくうえで、ある一定の広がりを必要とする。そして、日常的に行動している場所で、同一種の他の個体や多種の個体などと共通に利用している場所のことは行動圏(ホームレンジ)とよばれている。この行動圏の中で、巣や特定の採餌(さいじ)場所など、他の個体との重複をみとめない勢力圏が縄張り(テリトリー)である。

縄張りは、ふつう鳥類哺乳類、一部の爬虫類昆虫類などにみることができる。ただし、多くの場合には同種間のみに通用し、他種に対しては防衛されないことが多い。

IV

縄張りの種類

縄張りは、同一種間で餌や巣をめぐって形成されるが、それは優劣関係の順位により場所が決定される。また、縄張りをもつことにより同一種の集団における秩序や統制がたもたれる社会制度のことを「縄張り制」という。

鳥類ではつがいによる家族単位によるものが多くみられ、魚類では個体単位によるものが多い。また、哺乳類においては家族単位や集団単位による縄張りが知られている。

鳥類の縄張り魚類の縄張り哺乳類の縄張り

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