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メガネや顕微鏡、望遠鏡、カメラ、そのほかの光学機器につかわれるレンズは、そのほとんどが光学ガラスからつくられる(→ レンズ:光学)。光学ガラスは、光の屈折率と透過度が、ほかのガラスとはことなる。光学ガラスの製造は、慎重さと正確さを要する作業である。製造工程で欠陥が発生しないように、原材料は高品質でなければならず、作業はきわめて精密におこなう必要がある。小さな気泡や不純物がはいると、レンズの表面にひずみを生じる。ガラスの成分が不均一に分散しても、内部応力ができ大きなひずみを生じるし、不適切な徐冷によっておきるガラスの変形は、光学的な品質をさらにそこなう。 光学ガラスは、元来はポットの中で長時間とかされ、その間、耐火棒でたえずかきまわされた。長時間の徐冷のあと、わって断片にし、断片の中から良質のものを選択して再度加熱し、希望する形にプレス加工してから研磨した。最近では、プラチナを裏張りしたタンクの中で、連続的にガラスを生産する方法が採用されている。この製法によって、これまでのガラスよりもずっと安価で品質のすぐれた光学ガラスを大量に製造できるようになった。 簡単なレンズには、プラスチックがつかわれている。プラスチック・レンズは、ガラスほど耐久性はなく、傷がつきやすくて光学的な精度をだしにくいが、強くて軽く、着色も容易なので、サングラスなどには多くつかわれる。最近需要の多い使い捨てのカメラ(レンズつきフィルム)には、プレスによるプラスチック・レンズがつかわれている。
感光ガラスは、材料の中にある金または銀イオンが光に反応するもので、写真フィルムと似ている。このガラスは、印刷と複写の工程や集積回路の製造で、パターンを焼付けするときのマスクという原版にもつかわれる。露光した後、熱や化学薬品で処理すると、光の像が固定される。
ある種の金属をふくんだガラスは、紫外線にさらされると部分的に結晶になる。このガラスは、高温で加熱すると、一般のガラスよりも機械的に強く、電気抵抗の高い、結晶構造のセラミックになる。そのようなセラミックは、現在、調理器やロケットのノーズコーン(円錐(えんすい)状の頭部)、スペースシャトルの耐熱タイルにつかわれている。純粋な合金をふくむメタル・ガラスは、磁化することもできるが、強くて柔軟性があり、高性能の変圧器にひじょうに有効である。 コンピューターの記憶装置では、サブストレートというきわめて平面度の高い硬質ガラスの上に磁性体を精密に蒸着したものもつかわれる。
ケイ酸塩をおもな成分とするガラスを溶解して、細い糸にしたものをガラス繊維という。このガラス繊維は、製法と用途によって断熱用と織物用の2つに大別され、狭義には、ふつう短繊維でつくる断熱用をグラスウール、長繊維の織物用をグラスファイバーとよぶ。このほかにも、画像伝送用の光学繊維、通信用の光ファイバーなどがある。 工業的にガラスを繊維にすることは、第1次世界大戦中に、ドイツで天然石綿の代用品として高温断熱用の短繊維がつくられたのが最初である。一方、長繊維は1930年代に、光学用は60年代に、ともにアメリカで工業化された。現在のガラス繊維の一般的な製造方法は、次のようになる。 まず、ガラスを白金または耐熱性の再溶融炉(ポット)の中にいれて加熱する。このポットの底には多数のノズル(小穴)があり、溶解したガラスがノズルから糸になってでてくる。これをひっぱって高速回転のドラムにまきとり、直径4~80µm(マイクロメートル:100万分の1m)程度のガラス繊維にする。
短繊維は製造も容易で、単糸の直径が平均4µm以下(ウール1号)、8µm以下(ウール2号)、20µm以下(ウール3号)のガラス繊維を、それぞれ有機質バインダーによってフェルト状、ボード状、パイプ状などに成形する。短繊維の特徴としては、断熱性が高く、吸音性、不燃性、耐腐食性にすぐれ、軽量かつ施工が容易で無毒という特質がある。一方、細かなガラス繊維を吸入すると肺に障害を生じることがあるので、とりあつかうときは防塵(ぼうじん)マスクをつかうことがのぞましい。省エネルギー、快適性、安全性などの面から、その用途は着実に広がっている。 おもな用途としては、断熱(保温、保冷)材や吸音材として、大量にもちいられるほか、空気や液体のフィルター、高温用ガスケット、電池の電極保持体(耐酸性のCガラス)、放射性物質の処理装置などにもつかわれる。
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