Windows Live® の検索結果
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項目構成
この作業記憶にも検索過程があることが知られている。たとえば、3、8、5、7のような4つの数字を提示して、これを記憶させ(直接記憶範囲内なので容易である)、その1~2秒後に8や9のような数字1字を提示して、それが先の数字列にあったかどうかをできるだけはやくイエスかノーで判断させる。この場合、作業記憶の中に保持されている数字列を走査し、それと目標刺激が合致するかどうかによって、判断がなされると考えられる。数字列をすべて走査する場合を「悉皆(しっかい)型走査」、走査の途中で正解にであって判断がなされてしまう場合を「自動打ち切り型走査」とよぶ。この種の実験によって、被験者が、作業記憶(短期記憶)に走査をくわえていることが明らかになる。 作業記憶における重要な心的操作のひとつは、これまでにも見てきたリハーサルである。リハーサルは、作業記憶の処理容量をかなり消費するらしい。今、リハーサルの容易な記憶課題とリハーサルの困難な記憶課題をあたえる2群を用意し、一定時間持続するリハーサル中に、ブザー音をならして、できるだけはやく、キー押し反応させるという第2課題をあたえる。この2群の結果をブザー音をきいてすぐキー押し反応するだけの、対照群と比較すると、反応時間は、困難なリハーサル群ほど長く、対照群がもっとも短いことから、リハーサルが処理容量を消費していることがたしかめられる。これらのリハーサルの研究から、リハーサルには、短期記憶に情報を保持し、あとの再認課題の成績を向上させるように機能する「維持リハーサル」と、長期記憶に転送するために、さらに処理をくわえる「精緻化リハーサル」の2種類があることが知られている。 ほかにも、作業記憶においては、一度コード化されたものをふたたびコード化するような心的操作がくわえられることがある。この再コード化には、チャンクによるまとまりをさらに高次のチャンキングによって、まとめるというもの、定位法やペグワード法のようにイメージを利用するものなどがある。再コード化にイメージの利用が有効であることは、たとえば鍵と馬など2つの名詞を対連合させて学習する課題をあたえられたとき、「馬が鍵をくわえている」というように2つをむすびあわせたイメージを形づくることによって、その学習課題の成績が、飛躍的に向上する事実にみることができる。また定位法とは、既知の場所に項目のイメージをはりつけていく方法で、のちに検索するときに、既知の場所を手がかりにすることによって想起が容易になるというものである。
長期記憶とは、旋律の一部をきいただけで曲名や作曲者が思いだされたり、場合によっては、その曲を初めてきいた場所や状況さえも思いだされたりするような、今現在の認知活動につかわれてはいないが、必要になればいつでも検索してつかうことのできる、永続的に貯蔵された情報のことである。それは、図書館に収納された本のように、ただ検索されるのを受動的にまつような性質のものではなく、種々の形でコード化されて保存され、現在の認知活動に応じて、検索の可能性が変化していくような、力動的なシステムをなしているものと考えられている。
長期記憶には、言語や概念や規則など、言語をとおしてその意味が一般的な知識としてたくわえられている「意味記憶」(それが記憶された場所や日時を超越した記憶)と、何月何日にある場所でかつてのクラスメートとであったというように、ある個人的な出来事が長期間にわたってたくわえられている「エピソード記憶」(場所や日時が特定される記憶)がまず区別される。 さらに、習得した技能のように、場所や日時が特定されないという点では、エピソード記憶ではなく、言語的な意味にいちいちまとめられないという点では、意味記憶でもない、むしろ体がおぼえているという比喩があてはまるような記憶がある。エンジンを始動して、ギアをローにいれ、アクセルをふむというように、一連の運転動作の手続きをいわば手や体がおぼえているような場合がそれで、これを「手続き的知識」という。前二者の記憶内容は、言語的に「これこれは何々である」と記述できるのに対して、3番目の手続き的知識は言語的に叙述することがむずかしい。そこで前二者を一括して宣言的知識とよび、後者の手続き的知識と対比することがある。
感覚記憶や短期記憶(作業記憶)とくらべると、長期記憶における情報貯蔵量は膨大で、保持時間も感覚記憶や短期記憶が秒単位から数分の単位だったのにくらべると、数分から数時間、ときには数十年間にもおよぶ。子供のころに見たうつくしい風景がはっきり脳裏にやきついていて、30年ぶりにその風景に接したときにも、以前見たのとまったくちがっていないという印象をうけることがある。 とくに、視覚イメージの長期記憶はかなり良好であることが知られており、犯人の顔写真照合によるヒット率の高さにその一端がうかがわれる。バーリックとウィットリンガーの調査結果によれば、高校時代のクラスメートの顔写真と名前のマッチング課題では、卒業後14年までは90%前後の正答率であり、卒業後30年を経過してもなお、60%以上の正答率であったという。
視覚イメージの長期記憶がかなり良好だという議論に矛盾するようだが、目撃証言における記憶は、あいまいになる可能性が高く、したがって目撃証言の確度については疑問視されている。 とくに問題なのは、顔の再認は、比較的良好であるにもかかわらず、そのエピソードの場面や状況の記憶があいまいなことが多いことである。ロフタスとパーマーによれば、ある自動車事故の映像を被験者にみせたあとで、「車はどれぐらいのスピードでぶつかったか」と質問したときと、「車がぺしゃんこにつぶれたときのスピードはどれぐらいだったか」と質問したときとでは、後者のスピード見積もりが明らかにはやかった。 ロフタスはこのような研究から、出来事の細部の記憶は、あたえられる質問によって誘導されやすいことを指摘している。ここには長期記憶に保持されている情報が、検索過程と相互作用して、言語的再生に転化する事情の一端がしめされている。さらに、記憶されたイメージを言語化するときの言語による2次的加工の問題もあり、目撃証言と「客観的事実」との対応のむずかしさがいわれている。
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