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イモ類では世界一の生産量をもつナス科の多年草。馬鈴薯(バレイショ)ともいう。ふつうは一年生の野菜として栽培する。デンプン質の塊茎(イモ)は、世界の温帯地方のほとんどの国で必需食物とされている。茎は高さ50~100cmほどにのび、とがった葉、白ないし紫の星形の花をもち、直立性のものと、匍匐(ほふく)性のものがある。花期は日本では6~7月。果実は種子の多い液果で、サクランボの大きさであるが、あたたかい地方では実をむすばないことが多い。茎や葉と同様に、イモの側芽にも、ナス属の特徴である有毒なアルカロイドの一種のソラニンが多量にふくまれる。
ペルーのアンデスの高地が原産のジャガイモは、インカの重要な食用作物だった。16世紀にインカを侵略したスペイン人(→ コンキスタドール)によってヨーロッパにもちこまれた。当初は観賞用であったが、18世紀には戦乱と飢饉(ききん)がつづいたことから食用の価値がみとめられ、ほぼ全ヨーロッパで栽培されるようになった。18世紀初めに北アメリカにも渡来し、1719年にニューハンプシャー州で栽培がはじまったとされる。 ジャガイモが日本へ入ってきたのは、サツマイモよりはやく、1598年(慶長3年)とされる(1603年説もある)。オランダ船によってジャワのジャガトラ港から長崎に入って、「ジャガタライモ」とよばれた。これがジャガイモの語源である。17世紀になって、何度かの飢饉におそわれ、穀物の代用作物としてひろく栽培されるようになった。 明治政府になると、アメリカから良質の品種を積極的に導入し、栽培面積も収穫量もふえていった。現在、ジャガイモの代表品種とされる「男爵(だんしゃく)」は、明治後期にアメリカから取り入れたものがもとになっている。
通常の栽培では、種イモを植えつけて繁殖させる。新しい品種の場合は、受粉を管理してつくった種子からそだてる。改良種は若芽をさし穂にすれば急速にふやすことができる。掘りたてのジャガイモは78%が水分、18%がデンプン、2.2%がタンパク質、1%が灰分で0.1%が脂肪である。乾燥イモでは、重量の約75%が炭水化物である。ジャガイモは水産練り製品やかたくり粉、さらに繊維製品や接着剤、アルコールの製造につかわれるデンプンの重要な原料にもなる。 ジャガイモは淡泊な味がさいわいして、多くの料理につかわれる。和風料理では、おでん、肉じゃがなどの煮物、汁の実、精進揚げ(野菜のテンプラ)などだが、洋風料理ではじつに多彩である。ポタージュ、スープ、グラタン、シチュー、カレー、ポテトサラダ、コロッケ、粉ふきいもなどのほか、近年ではポテトチップスやフライドポテトなど間食用の利用も激増している。生鮮野菜にくらべて保存がきくことが、ジャガイモの利用をふやす大きな要因といえよう。
斑点病はジャガイモのもっとも重大な病気で、葉、茎、塊茎をくさらせる菌がひきおこす。夏枯れ病は別の菌が原因でおこる病気である。被害はそれほどめだたないが、病巣部からバクテリアが侵入して腐敗病になりやすい。さまざまな形状のモザイク病と葉巻き病は、ウイルス感染が原因である。黄に黒まだらのあるハムシの一種は、もっとも大きな被害をもたらす害虫である。他の害虫としてヨコバイ、ノミハムシ、アリマキ、キジラミがあげられる。 分類:ナス科ナス属。ジャガイモの学名はSolanum tuberosum。
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