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電気と磁気の現象を力学的な量としてはかるのにもちいる単位系で、一般には電気製品の電気的性質をあらわしたりする。電気的な量、磁気的な量の単位は、それぞれ電荷の間、磁極の間にはたらく力をあらわすクーロンの法則(→電磁気学の「クーロンの法則」)によってきまり、これら2種類の量の単位関係は、電流によって生じる磁界の強さをあらわすビオ=サバールの法則(→電磁気学の「電流の磁気作用」)でみちびかれる。現在、世界の単位の基準として利用されているのは国際単位系(SI)であるが、この中で電磁気系の基本単位は電流(A:アンペア)だけである。このほかの電圧(V:ボルト)や電気抵抗(Ω:オーム)は組立単位で、あとは基本単位による関係式であらわされるが、慣習上いままで利用されてきたCGS単位系やMKS単位系の単位も利用されている。
力学的な量の基本単位は、長さ・質量・時間をcm・g・s(秒)を単位としたCGS単位系と、m・kg・sを単位としたMKS単位系とがある。CGS単位系にもとづき、真空中に1cmはなれた2つの単位電荷の間ではたらく力を1ダイン(dyn)として電荷の単位をきめたのがCGS静電単位系であり、esu(electrostatic unit)またはCGSesuと略記する。また、真空中で1cmはなれた2つの単位磁極の間ではたらく力を1ダインとして磁気量の単位をきめたのがCGS電磁単位系で、emu(electromagnetic unit)またはCGSemuと略記する。 静電単位系は電気量、電磁単位系は磁気量をあつかうのに便利だが、磁気量を静電単位系、電気量を電磁単位系であつかうという不便があった。そこで、この2つのCGS単位系の長所をたもたせ、電気量と磁気量を対称的にあつかうようにしたのがCGSガウス単位系である。しかし、これらのCGS系の単位は、あまりにも大きすぎたり小さすぎたりして実用的でないため、単位の10n倍にして実用単位をきめ、それらに関係の深い学者の名があてられた。電流のアンペア(A)、電気抵抗のオーム(Ω)、電気量(電荷)のクーロン(C)、電圧のボルト(V)などである。 これらの実用単位を、そのままとりいれることができるようにしたのがMKS単位系であり、とくに基本単位にアンペアをえらんだのがMKSA単位系で、電気・磁気量の計算に便利である。電気・磁気の単位系は、このように時代とともに変遷し、いくつも単位系が構成されてきた。これでは各種単位系で混同がおきるため、MKSA単位系を拡張し、さらに他の分野をも広くカバーして単位系を統一するものとして国際単位系が採用された。
計測によってえられた量、つまり情報がどこでもだれからも信頼にたるものであるとみとめられるためには、同じ単位をもちい、またそれを定義した標準が世界的に統一されていることが必要である。このため、1960年の国際度量衡総会でメートル系を基準とする統一した単位系が採択された。それが国際単位系(フランス語でSystèm International d'Unités)で、SIと略記することもある。国際単位系での電気・磁気に関する単位として、電流の単位であるアンペアが基本単位にはいっている。このため、ほかの基本単位との組み合わせで、電気・磁気の単位がくみたてられる。
アンペアの名称は、フランスの物理学者A.M.アンペールにちなんでつけられた。1アンペアの定義は、真空中に1mの間隔で平行におかれた無限に細く無限に長い2本の導線に、ひとしい電流をながしたとき、2本の線に2 × 10-7ニュートン(N)の力を生じるような大きさの電流である。ニュートンという名称は、イギリスの科学者ニュートンにちなんでつけられた。 1アンペアの電流によって1秒間にはこばれる電気量を1クーロン(C)という。クーロンは電気量、電荷をあらわすSI組立単位で、1C = 1A・s(s:秒)とあらわされる。クーロンという名称はフランスの物理学者A.de.クーロンにちなんで名づけられた。 1アンペアの電流がながれる導線の2点間において消費される電力が1ワット(W)であるとき、その2点間の電圧を1ボルト(V)とする。ボルトは、電位、電位差、電圧、起電力をあらわすSI組立単位で、1V = 1W/Aとあらわされる。ボルトという名称はイタリアの物理学者A.ボルタにちなんで名づけられた。 ワットは、仕事率、電力をあらわすSI組立単位で、1秒につき1ジュール(J)の仕事をする率をいい、1W = 1J/sである。電力の場合は、1ボルトの電圧で1アンペアの電流がながれるときに消費される電力が1ワットで、1W = 1V・A = 1J/sである。
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