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  • アリ - Wikipedia

    アリ ( 蟻・螘 )は、昆虫綱・ハチ目・スズメバチ上科・ アリ科 (Formicidae)に属する昆虫を指す。体長は1mm-3cmほどの小型昆虫で、人家の近くにも多く、身近な昆虫のひとつに数えられる。原則として、産卵行動を行う少数の女王アリと育児や食料の調達など ...

  • 日本産アリ類画像データベース

    日本産アリ類画像データベースが2008年版としてリニューアルしました。日本に分布している270種以上のアリについて、その全種類を収録した画像データベースです。各種の解説のほか、多彩な検索機能を用意しています。

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アリ

アリ(蟻) Ant
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

社会性昆虫(昆虫)で、1つの科を構成する。すべての種が社会的行動をとり、組織化された集団であるコロニーで生活する。同じく高度な社会性をもつミツバチなどと近縁である(ハチ)。シロアリはアリと名がつくが、類縁の遠いシロアリ目に分類される。

成虫には基本的に、オス、女王アリ、同じくメスの働きアリの3つの階級がある。一般に、オスは一生翅(はね)があるが、女王アリになるメスは交尾のあと翅がなくなる。メスの多くは働きアリとよばれ、はじめから翅のない個体で、ふつう繁殖力がない。繁殖力のあるメスがコロニーの女王であり、卵をうむことをおもな仕事とする。オスは交尾のあとすぐ死に、働きアリが食物をあつめ、子をそだて、コロニーを防護する。巣は多数の小部屋と通路からなり、石や丸太の下、あるいは土中に穴をほってつくられる。土や植物で塚をつくるものや朽ち木に巣をつくるものもある。

アリ科は4500以上の種が記載されており、温帯や熱帯にひろく分布している。日本では約200種が発見されている。アリの体は頭部、胸部、腹部にわかれ、胸部と腹部は腹柄とよばれる部分によってつながっている。大きさは、働きアリのほとんどが体長2~10mmであるが、30mmの大型のものもある。女王アリは働きアリより大きく、50mmに達する種もある。

II

発生

アリには卵、幼虫、、成虫の4つの成長段階がある。女王アリがうんだ微小な白または黄がかった卵は、2~6週間後にかえり、白いウジ状の幼虫になる。数週間から数カ月後、幼虫はさなぎになる。この蛹のことをよくアリの卵といっているが、これはただしくない。むきだしのままで蛹になる種もあるが、幼虫の最終段階で分泌する物質によってまゆをつくり、その中で蛹になるものもある。蛹の間はいっさい食物を摂取しない。

発生途中のアリには働きアリが食物をあたえ、体をきれいにし、いろいろ世話をやく。完全変態(昆虫変態)をとげるすべての昆虫と同様に、蛹の段階をおえると、完全に成長した個体になる。羽化したオスと女王アリは結婚飛行にとびたち、空中でまたは地上におりて交尾する。結婚飛行で女王アリと交尾したオスはその後死んでしまうことが多い。種によっては、女王アリと働きアリが15年以上も生きることが知られている。

III

食物

アリは一般に雑食性であるが、種によっては特定の食物しかとらないものもいる。ほとんどがなんらかの巣をつくり、そこに食物を保存する。なかにはひじょうに高度な「農業」をしたり「牧畜」をしたりする習慣をもつようになったものもわずかにいる。アメリカ合衆国の中央部とメキシコに分布する赤い収穫アリは草原にかよい、草の種子をあつめ、たくわえる習性がある。ひろく分布する収穫アリのうち、いくつかの種は、食物として穀物をあつめる。その働きアリの中には、兵アリとよばれる大きなあごをもつ特殊化したアリがいて、唯一の仕事は他のアリが食べるために穀物をかみくだくことである。

アメリカ合衆国南東部および熱帯アメリカには、巣の中で菌類の1種を培養し、これをコロニーの食物とするものもいる。熱帯アメリカのハキリアリは、働きアリがちぎった葉片を巣にはこびこみ、菌類を培養する菌園をつくる。

多くのアリはアブラムシが分泌する甘露とよばれるあまい蜜(みつ)を食べている。種によってはアブラムシを飼育し、保護し、卵の面倒をみるものもいる。アメリカ南西部のミツツボアリは、一部の働きアリを生きている蜜つぼとして利用し、その体内に蜜をたくわえている。蜜つぼになる働きアリは大量の蜜をあたえられるため、腹部は大きくふくれあがり、あるくこともできない。巣の中でほとんどうごかず、必要に応じてコロニーの他のメンバーのために蜜の小滴をはきだす。

多くのアリは、複雑なかたちで食物や化学的な刺激をあたえあう、栄養交換とよばれる習性をそなえている。働きアリは幼虫に食物をあたえるが、同時に幼虫の体表から分泌される唾液(だえき)をむさぼるように摂取する。このような代謝物には働きアリをひきつける力がそなわっていて、働きアリに幼虫の世話をさせたり、組織をつくったり、コロニーを団結させたりする基本になっているものと考えられる。

IV

行動

1

仕事の分担

アリのコロニーはふつう、1つの巣をつくる。いっぽう、とくにグンタイアリやサスライアリのように、ふだんは放浪生活をおくるタイプもわずかながらある。これらのアリは、倒木の下側や岩陰などに数百万もの働きアリがぶらさがってひとつのかたまりをつくり、その内側に女王と卵や幼虫やさなぎがいる。アリの集団の活動の特徴は、ある程度仕事の分担がなされていることで、コロニー内のメンバーそれぞれが一生の仕事をきめられている場合もある。たとえば収穫アリのいくつかの種は、大きな頭部をもった働きアリだけが種子をかみくだく仕事をする。

しかし、ほとんどの場合、オオアリの仲間の多くがそうであるように、仕事の分担は絶対的なものではない。オオアリの場合、もっとも体の大きい働きアリが防衛にあたり、中ぐらいの大きさのものは食物をさがし、もっとも小さなものが子育てをすることになっている。とはいえ、どの階級もすべての仕事をこなすことができる。オオアリやミツツボアリの多くの種は、それぞれの働きアリが一時的に食物探し専門になったり、子育て専門になったりする。

たいていの社会性昆虫と同じく、アリも働き者である。ただし、コロニーの活動は一日のうちでも活発なとき(ふつう朝はやくと午後おそく、また夜行性のアリの場合は夕方のはやい時刻)と、不活発なとき(日中または夜明け前)がある。温帯に生息するアリの場合、季節によっても違いがみられる。真夏はいそがしくはたらき、冬になると休眠状態にはいる。一部の種では、同じ働きアリでも、個体によってあるものは精力的な性格だが、あるものは怠惰であるといった違いがある。

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