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宇宙探査

宇宙探査 うちゅうたんさ Space Exploration
百科事典項目
マルチメディア
ウォスホートの宇宙飛行士ウォスホートの宇宙飛行士
項目構成
I

プロローグ

有人または無人で宇宙飛行しながらおこなう探査。宇宙探査はすなわち宇宙航行学と同じことであり、物理学天文学数学化学生物学医学エレクトロニクス気象学などの分野に発見をもたらす学際的な調査である。

有人・無人の宇宙探査機は、太陽系宇宙の本質と起源に関する新しい科学データを多く提供しつづけてきた(宇宙論)。また、地球軌道をまわる人工衛星をつかって、世界的な通信、気象予報、航行の安全、金属資源の探査や軍事目的のための地表の調査などが発展した。

宇宙時代の幕開けと宇宙航行学の実用化は、1957年10月4日のソ連(現、ロシア連邦)による人工衛星スプートニク1号の打ち上げとともにはじまった。58年10月、アメリカではアメリカ航空宇宙局(NASA)が創設された。それ以来さまざまな宇宙船がおもに地球をまわる軌道にうちあげられた。アポロ計画では12人の宇宙飛行士面をあるき地球に帰還した。

II

宇宙空間の物理学

地球の大気と宇宙空間の境目ははっきりとせず、ぼやけている。空気密度は高度がますにつれてしだいに減少していくため、上層大気の空気はひじょうにうすく、やがて宇宙空間ととけあってしまう。

大気の密度をあらわす気圧は海面では760トルである(1トルは約133.3パスカル)。海面から30kmの高度では気圧は9.5トル、60kmでは0.21トル、90kmでは0.0019トルである。しかし、高度200kmでも、空力的な摩擦によって人工衛星を減速させるのにじゅうぶんな大気がのこっている。したがって、長期間使用する人工衛星は、もっと高い軌道にうちあげなければならない。

1

宇宙空間での放射

ふつうの基準では宇宙空間は真空である。しかし、宇宙空間にはひじょうに微量の水素などのガスや、ごくわずかな隕石流星の塵(ちり)がふくまれ、太陽から放出されるX線紫外線可視光赤外線が縦横にはしっている。おもに陽子アルファ粒子、重い原子核で構成される宇宙線も存在している。

2

重力

17世紀のイギリスの物理学者であったニュートン万有引力の法則の中で、宇宙の中にあるすべての物質はほかのすべての物質と、質量の積に比例し、距離の2乗に反比例する力でひきあう、とのべている。したがって地球の重力は、地球からはなれるにつれて減少するが、宇宙船をふくむすべての物体におよんでいる。重力場()は無限のかなたまで広がっており、どの高度においても重力が作用している。

地球あるいはほかの天体の周りをまわる宇宙船が無重力になるといわれるのは、遠心力の効果が、重力とひとしく反対の向きにはたらくためである。このような状態のもとでは、宇宙船の中の物体は空間にうかんでいるようにみえる。同様に、月が地球におちてこないのは、遠心力と重力のバランスがとれているからである。

航空機(飛行機)は、翼などにはたらく空力的な力によって、重力にさからってとびつづけることができる。しかし、宇宙空間には空気がないため、宇宙船はこの方法でとぶことができない。したがって、宇宙船が宇宙空間に存在するためには軌道をえがいていなければならない。

地球の大気中をとぶ航空機は、推進と飛行のためにプロペラと翼をつかうことができるが、宇宙では空気がないためにそうすることができない。宇宙船はニュートンの運動の3法則にもとづいて、推進と飛行をロケットの反作用にたよっているのである。宇宙船がある方向にロケットの爆風を噴射させると、ロケットの排気ガスに対する反作用として、反対向きの運動量をえることができる。→力学の「ニュートンの運動の3法則」

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