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ブドウ科の蔓(つる)性の落葉果樹。ブドウの蔓は、巻きひげで壁や柵にからみついてのぼっていく茎である。掌状で葉脈のある葉が、茎にそって交互に生えている。ほとんどの種で、巻きひげは連続してでる葉の2枚目ごとに互生する。ふつう、緑色をおびた花が房状につき、雌雄異株のこともある。果実は2年目の茎になるが、この茎はブドウを収穫した後にとりのぞく。 果実には球形、楕円(だえん)形、長卵形などがあり、果皮も赤紫色、黒紫色、赤茶色、緑色など品種によりさまざまである。世界的には収穫量の7割以上が、醸造用(ワイン、シェリー酒など)につかわれるが、日本では生で食べる果物用が大半で、醸造用は世界にくらべるとずっと低い。現在、世界で栽培されているブドウの品種には、大きくわけてヨーロッパブドウとアメリカブドウの2系統がある。
ヨーロッパブドウは、有史以前から食用とされてきた。ブドウの種子が、スイスおよびイタリアの青銅器時代の湖上住居跡と、エジプトの古代の墓からみつかっている。カスピ海沿岸がヨーロッパブドウの原産地であり、種子が鳥や風などによって、地中海のアジア側沿岸地域まではこばれたと考えられる。聖書の時代、パレスティナでおこなわれていたブドウ栽培は、フェニキア人によって地中海地域につたえられた。古代のギリシャ人はブドウを栽培し、ローマとその属国でも、その果実が利用されるようになった。旧約聖書にはブドウに関する記述が多くみられる。 ヨーロッパブドウは、植民地時代に北アメリカ東部にはじめて導入されたが、そのときは病気や害虫のために失敗におわった。コンコルドやデラウェアなど、アメリカ東部で栽培に成功した種は、系統的にはヨーロッパブドウと原産の数種、とくにラブルスカブドウ(アメリカブドウ)、サマーグレープ(エスティバリ種ブドウ)、ニオイブドウ(リパリア種ブドウ)、マスカディンブドウとの交配によって改良された株である。アメリカ東部のブドウは、果実の果皮と果肉の間に汁気が多いことが特徴であり、それによって皮がむきやすくなっている。
ブドウの品種は、ヨーロッパ産、アメリカ東部産にかかわりなく、その利用法によってわけられる。ワインをつくるのにつかうブドウは、かなり強い酸味と適度な糖分がなければならない。デザートワインおよびそのほかの甘口ワインにつかうブドウは、糖分にとみ、中程度の酸味がなければならない。生食用ブドウは、酸味も糖分も少なく、大きさ、色、および形が一様でなければならない。ジュースやゼリーをつくるのにつかうブドウは、強い酸味と中程度の糖分とともに、香り高くなければならない。干しブドウは糖分が多く酸味が少なく、種子なしがのぞましい。 ワイン、生食用ブドウ、デザートワインそして干しブドウとしてつかう場合は、ヨーロッパ産のほうがアメリカ東部産よりもよいとされているが、ジュースやゼリーにはアメリカ東部産がこのまれる。
産業用ブドウ園でのブドウの木の栽培は、ふつう、春、接ぎ木して1年目の接穂からはじめる。根は便宜上、7.5~10cmの長さに切りそろえ、2~3mはなして植える。その後、若枝のうちもっとも丈夫そうなものをのこしてほかはすべて切りとる。のこった若枝は、2、3芽になるようにして短く剪定する。その後2年間、春にこのプロセスをくりかえす。 そうすると、小さな木の幹のような丈夫な本茎がのび、実がつくようになる。こうした丈夫な茎は、添え木なしでもまっすぐに立つ。本茎がのびている間、高さ1.8m以上の添え木を垂直にゆるくしばりつける。結実期が近づくと、芽を注意深くつみとり、その数をへらしていく。のこった芽から成長する若枝は、良質の実をたくさんつける。 ブドウは害虫や病気の被害をうけやすく、なかでも黒菌病やべと病が多い。
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