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有機化合物の色素のうち、おもに繊維の染色につかう。ほかにプラスチックの染色、インク、油脂、紙、生体組織などにつかうものもある。染料は水などの溶媒にとける色素で、染色が完了すると素材と化学反応して、容易に色がおちない、安定した化合物ができる。顔料は水などの溶媒にはとけない色のついた固体粉末で、化学反応はせずに着色する物質に混合する。 → 色
染料には、天然染料と合成染料とがある。天然染料には、自然にある、昆虫、植物、貝などから抽出した色素がつかわれる。 合成染料は、19世紀半ばに、コールタールからえられたアニリンを操作しているときに偶然にできた(→ ウィリアム・H.パーキン)。染料としてもちいられる物質は、共役二重結合(→ 二重結合)をもつ有機化合物が多い。 染料の色は、可視光線の一部を吸収することで、その補色が色としてみえる。ある有機化合物に特有な色をあたえる原子団を発色団という。しかし、同じ発色団をもつ化合物がどれも同じ色をしているわけではない。 染料は織物にしみこみ、その繊維を着色しなければならない。助色団という原子団を、発色団をもつ染料に導入すると、助色団によって酸性あるいは塩基性となり、染料の繊維への染着性がよくなる。またこの導入によって、色合いがかわり、深く濃い色になったりする。 染料は、染色法や化学構造によって分類される。化学構造による分類は、その化合物の核となる構造によっておこなわれるのが一般的である。分子中にアゾ基(→ アゾ化合物)をもつアゾ染料は、種類が多く合成染料の約半数を占めている。マゼンタやメチルバイオレットは、トリフェニルメタン染料である。インディゴは空気にさらして染色する染料で、インジカンとして植物中に存在しているときは、無色結晶性の配糖体である(→ アイ)。染料の中で、アゾ染料はもっとも広く利用されている大切な染料である。
染料の中には、そのままでは目的の色がでないものや、繊維との結合が弱くて色落ちしてしまうものがある。このような染料でも、媒染剤という金属元素をふくむ薬剤をつかって、鮮やかにしっかりと染色する技術がある。古くからつかわれた媒染剤にはミョウバンがある。媒染剤をつかって染色する染料を媒染染料という。
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