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項目構成
ゴルフクラブや防弾チョッキなどに利用される、芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高弾性率をもつ。その仲間のポリ・メタ・フェニレンテレフタルアミド繊維をつかったアラミド紙は、短繊維と微小結合分子(ファイブリッド)をまぜてすき、さらに高温高圧下で紙にしたものである。このアラミド紙には、高強度、耐熱性、難燃性があり、高い絶縁性もあるので、衣料用繊維に混紡し、消防服やカー・レース用スーツに利用するほか、絶縁材料、航空機のハニカム構造材としてつかわれている。
紙の繊維であるセルロースとよく似た構造をもち、昆虫や甲殻類の外殻成分であるキチンから繊維をつくり、これをすいた紙は、生体融合性がよく、薬理作用をもつため、医療用の紙としての用途が期待されている。コラーゲンなどからもこのような生体融合性繊維をつくることができ、人工皮膚から絆創膏(ばんそうこう)用のシート、臨床試験用の試験紙にいたるまで、さまざまな応用が考えられる。
紙やフィルムシートに、酸化鉄などの磁気記録層を形成したり、すきこんだりした磁性紙はプリペイドカードなどにする。さらに、圧電フィルムを紙ではさんだペーパースピーカーも開発されている。超伝導物質になる粉末を、木材パルプや合成パルプとまぜてすき、焼結した超伝導紙は、実現すれば多孔質で大面積の超伝導体がえられる。また、ステンレス繊維、ニッケルめっきカーボンファイバー、銅とニッケルを2層コーティングした導電性繊維などをシート状にした電磁波シールド紙は、高いシールド効果をしめし、コンピューターをはじめとする電磁波の防護用になる。
空気中の水分を可逆的に吸収・放出したり、アルカリを吸着する機能をもつ調湿紙が開発されれば、閉鎖空間で一定湿度を保存する能力が、博物館などの文化財保存に利用できると考えられている。また、極細ガラス繊維をもちいた高機能フィルター紙は、空気や液体の濾過(ろか)機能が期待できる。油と親和性のある繊維とない繊維で構成される油水分離紙は、その濾過機能が、油の精製、海洋汚染などの環境対策に応用できる。さらに、紙またはその繊維に酵素を吸着させ、それを化学結合によって固定させた酵素固定紙は、尿や血清など臨床化学検査での用途が考えられている。 このほか、感熱性液晶やクロミック材料を紙に混合し、一定温度で色が変化するサーモクロミック紙(温度感知紙)、光エネルギーをうけて発色するフォトクロミック紙、色相の変化で紫外線照射量を感知する紫外線感知紙などは、工業や農業の分野、医療分野、日常生活分野で、さまざまな用途が考えられる。また、パルプの3次元網目構造に無機粉末や金属粉末をポリマーなどのバインダーによって、多量に含有させた填料高含紙という紙があるが、これは含有させる粉末によって耐熱、脱臭、電磁波シールドなど、さまざまな機能を発揮することができ、今後さまざまな分野での用途が考えられている。
原料がほとんど木材であるところから、大量の紙を消費することは、森林破壊をまねく。また、都市のゴミのうち70~80%はオフィスからといわれ、その処理も大きな問題である。
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