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項目構成
化学薬品で木材をほぐす方法は、1853年に、イギリスのバージスが苛性(かせい)ソーダをつかったのが初めである。67年には、アメリカのティルマンが二酸化硫黄をつかい、85年には、スウェーデンのダールが、苛性ソーダと硫化ナトリウムをつかって木材をほぐすのに成功している。これらの製法は、木材に蒸気で圧力をかけて、木材にふくまれるリグニンを薬品で分解するもので、機械式の叩解に対して蒸解(じょうかい)とよばれる。この作業でつくられる繊維は、強度はおとるが、ほかの木材繊維と混合してつかわれる。
抄きの工程では、1798年にフランスの発明家N.ロベールがベルトコンベヤーのようにながれながら金網が回転する、長網抄紙機の特許を取得し、1808年にイギリスのヘンリー・フォードリニアとシアリー・フォードリニアの兄弟が実用化した。そのため長網の抄紙機をフォードリニア機という。翌09年には、イギリスのジョン・ディキンソンが、円筒形の金網で紙をすく機械を発明し、17年には、イギリスのヒースが紙の表面に光沢をつける、カレンダー装置を発明した。
機械をつかった製紙は、手作業の場合と基本的には同じである。工程の最初は原料の調整だが、近代の製紙でつかわれていた原料は、綿か麻のぼろ布(ラグ)と木材パルプだったが、現在では95%以上の紙が、木材のセルロースからつくられている。新聞紙などのもっとも安価な紙には、機械ですりつぶした材料だけがつかわれる。近年では、木材資源の保護と生産の効率化のため、廃棄された紙も大量に原料にされる。高級な紙では、化学的に処理された木材パルプ、あるいはパルプと綿繊維の混合物が、最高級の筆記用紙などでは、綿の繊維だけがつかわれる。
紙の原料となるラグは、まず最初に機械で洗浄して汚れや付着物をとりのぞいてから、大きな回転窯の中で数時間、石灰とともに蒸気で圧力をかけて煮たてる。石灰は、油脂やラグにふくまれる不純物と反応して、水に不溶なものになるので、あとの工程で水であらいながす。同時に、色素がとりのぞかれて白色になっていくが、漂白剤をつかう場合もある。
次の工程は叩解である。長さがまちまちの繊維原料をほぐし、一定の短い繊維に切りそろえ、紙の変色などの原因になる不純物を除去する。叩解機におくられたラグは、細かく切断されてばらばらの繊維になり、金網でできた洗浄用の円筒が配置されている桶にいれられる。ここで汚れをのぞき、完全にばらばらの繊維になるまでほぐされる。この時点で、染料や顔料と、にじみを防止する松脂(まつやに)や糊剤のようなサイズ剤、さらに白陶土や硫酸カルシウムなどの填料(てんりょう)をくわえる。これはできあがったときの紙に重みと厚みをくわえ、インクなどをにじませずに付着させる工程である。
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