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鉄道

鉄道 てつどう
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

一対の金属製のレールによってつくられた軌道の上を、石炭、石油、電気をつかって車両を運転し、旅客や貨物をはこぶ施設の総称(蒸気機関車)。「鉄道」という用語は、狭義には軌道のことだが、広義には車両をふくむ鉄道の全体、さらに鉄道に関連する土地や建物、および機械設備などがふくまれる。モノレール都市交通

II

レール

鉄道の前身は、荷馬車用道路またはトラムロード(トロッコ用軌道:トラムとはもともと石炭をはこぶトロッコのこと)で、16世紀ごろ石炭や鉄鉱石、石材などを鉱山や石切り場から港や水路などにはこぶためにつくられた。最初の荷馬車用道路は、厚板を2列平行においたものにすぎなかったが、牛や馬は、でこぼこの道路よりはるかに速いスピードで、重い荷物をひくことができた。初期のトラムロードでは、木製の軌道を固定するために枕木が使用されたが、まもなく、改良されて細長い鉄片を上にはり、馬車の車輪に鉄が使用されるようになった。1767年に、イギリスのレーノルズという鋳物工場経営者が最初に鋳鉄のレールをつくった。これは鉄の上張りをした木の軌道よりもずっと重い荷重にたえられた。89年には、W.ジェソップによって現在つかわれているものと同じΙ型の断面をもつレールがつくられた。

1811年に、英国の炭鉱主が、歯をきざんだレールの上に歯車の車輪をころがすという特許を獲得した。このアプト式といわれる歯軌条の原理は、極端な急勾配(こうばい)で車両をはしらせなければならないような場所で、補助の第3レールとして今でも活用されている。

現在つかわれているレールは、19世紀の初めにイギリスの北部でつかわれたエッジ・レールから発達したものである。車輪は、内側のエッジから外側にはりだしたフランジ(輪縁)によって、レールにはまっていた。多くの専門家は、トラムロードと区別して、鉄道とはレールが路床よりも高い線路をいう、と定義している。1825年に、イギリスのストックトン~ダーリントン間に蒸気機関車による鉄道が開業し、エッジ・レールが一般的につかわれるようになった。

イギリス以外で今日つかわれているレールの原型は、アメリカの発明家ロバート・スティーブンスによって、1830年に設計されたT型レールである。スティーブンスは、新しく設立されたニュージャージー州のキャムドン・アンボイ鉄道会社の技師長で、社長でもあった。T型レールは、頭部よりもひろい底部があり、枕木に直接スパイクをうちこめるように、両側に出縁があった。現在のアメリカでは、レールは、枕木の上にタイプレートといわれる金属板をおき、その上におかれた。この板は、レールの荷重を分散して、枕木にレールがくいこまないように、レールの底部よりもひろくできている。

現在のイギリスでつかわれているレールは、1835年に導入されたΙ型レールから発達した、ブルヘッド型レールである。ダブルヘッド・レールといわれたΙ型レールは、理論的には、上側が磨耗すれば上下逆にしてつかえる。しかし、実際には、レールの下側も、レールを垂直におくために必要なチェアとよばれる重い金属の留め金(座枕)との接触で磨耗してしまうため、上下を逆にしてはつかえず、あまり経済効果はなかった。バルクヘッド・レールは、Ι型レールよりも幅がひろく、頭部は厚さがあったが、やはり、木ので座枕にとりつけなければならなかった。断面が逆U字型で、縦長の木材の上にはまるブリッジ・レールは、92年まで、イギリスのグレート・ウェスタン鉄道会社でつかわれていた。

1

錬鉄製レールと鋼鉄製レール

鋳鉄のレールに対する最初の改良は、1820年、イギリスで導入された錬鉄のレールである。イギリスはまた、はじめて鋼鉄のレールを製造した国でもある。アメリカでは鋼鉄製レールの製造は65年にはじまった。20世紀の冶金技術の発達は、レール用鋼材の品質を大幅に向上させたが、しばしば横方向の亀裂が使用中のレールの内部に発生し、事故をひきおこした。亀裂が発生する原因は、圧延機からでてくる高温のレールを冷却するときに生じる傷であることがわかって、この問題は解決された。

より重い列車をはしらせるためには、より重いレールが必要になる。初期の鉄道でつかわれた鉄製のレールは、1m当たり20kg以下の重さで、20世紀初めの鋼鉄製のレールでも、1mで30kg以上はなかった。これに対し、1930年代につかわれたレールの重さは50kg以上もあり、ときには65kg以上のものもつかわれた。

2

レールの継ぎ目

レールの継ぎ目は、軌道の中で比較的弱い部分であり、設計技術者は、レールを長くすることで継ぎ目の数を少なくした。蒸気機関車が開発されたころのレールの長さは0.914mだったが、1830年代には4.6~6.1mにのびた。20世紀初期の一般的なレールの長さは9.1mだったが、まもなく、12.2mの貨車が運行されるようになると10mになった。レールの長さは、レール自体を輸送する困難さから、一定の限界があった。1894年ごろにイギリスでつかわれた18.3mのレールは、アメリカでも敷設されたが、アメリカではおもに13.7mのレールがつかわれた。

以後、アメリカの鉄道では、レールを溶接して敷設するようになり、1本のレールが400mにまでなった。最初のうちは、あまりにも長いと、熱によって伸縮して変形するのではないかという不安から、溶接は慎重におこなわれた。しかし、縦方向の膨張と収縮は、変形をおこすほどではないことが経験からわかり、また、技術の発達によって溶接の強度をあげることができた。溶接できないところは、両側をボルトでとめた棒でレールを結合し、継ぎ目をカバーしている。このような継ぎ目の最初の発明者は、スティーブンスだと信じられている。

金属のレールをつかった初期の鉄道では、レールの各部分はしっかりと固定されていなかった。しかし、最近の鉄道建設では、より長くより強い留め金と、列車の荷重を枕木で均等に分散するため、幅のひろいタイプレートが使用される。数年の間は、レールをつなぐ突起のあるタイプレートがつかわれてきた。また、合衆国の鉄道にはほとんど、縦方向の変形をふせぐために設計された、アンチクリーパーとよばれる特別な留め金がついている。

1925年にはじまり、その後、とくに第2次世界大戦後急速に発達した列車集中制御装置(CTC)の設置は、鉄道線路の性能を高めたので、レール交換の頻度を減少させた。このシステムでは、制御司令室の制御盤かスイッチボードの前にすわっている1人の運行管理者によって、スイッチと信号で広範囲な線区の列車運行管理がおこなわれている。パネルには、各列車の位置が自動的に電光表示板に表示され、それぞれの信号をコントロールするノブと、スイッチをコントロールするレバーがある。

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