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項目構成
レール頭部の最上部から、15.9mm下の点におけるレール内側の距離を、軌間(ゲージ・オブ・トラック、略してゲージ)という。アメリカ、カナダ、イギリス、メキシコ、ノルウェー、スウェーデン、そのほか多くのヨーロッパ大陸の国では、標準的なゲージは1435mmである。この軌間のものを標軌といい、これよりせまいものを狭軌、ひろいものを広軌という。なぜこの寸法が基準となったのかは推測でしかないが、おそらく、1.524mの車軸をもった鉄道車両をはしらせるために設置された、初期のトロッコ用軌道からの伝統であろう。初期のエッジ・レールのいくつかは、頭部が44.45mmの幅をもっていた。伝統的な板レールの幅にもとづいてそのようなレールを設置したことが、おそらく、結果的に1435mmの寸法になったのであろう。 19世紀を通じて、多くの鉄道会社が線路を建設したが、あるものは標準軌、あるものは広軌、狭軌と各社さまざまだった。1870年代ごろ、多くの鉄道は、通常、914mmの狭軌を採用した。狭軌を採用したのは、よりせまい盛り土や敷地ですみ、軽いレールがつかえ、急なカーブの線路ができるなどの理由による。71年には、アメリカで1476kmの狭軌鉄道が建設中であった。 1873年の鉄道恐慌以来、鉄道会社の株価が急落し、あらゆる種類の鉄道建設が中止においこまれた。このパニックは、より経済的である狭軌の鉄道建設を促進した、と主張する専門家もいる。 しかし、長距離の貨物列車は、ゲージのことなる鉄道の中継点では、貨物を別の貨車につみかえなければならないという不便があった。ゲージのことなる鉄道間の中継地点での貨物の扱い費用が膨大だったので、1886年ごろまでに、事実上全米の鉄道は、標準軌を採用することになった。その数年後には、多くのアメリカの鉄道会社が、一定の固定料金でたがいの貨物をとりあつかう協定をむすんだ。 中南米の鉄道は、いろいろなゲージを採用している。しかし、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから放射状にはしる幹線の鉄道は、1676mmの軌間で建設されている。 ヨーロッパでは、幹線や支線の標準軌の鉄道網にくわえて、おもに山間部で、いまだに狭軌を採用している。スペインとポルトガルの幹線は1676mmのゲージを採用し、旧ソ連は1524mm、アイルランドではおもに1624mmである。アフリカとアジアはかなりまちまちで、エジプトの幹線は標準軌を採用しているが、南アフリカと日本の在来線では1067mm、日本の新幹線では、1435mm、インドの主要幹線では1676mmが採用されている。オーストラリアの鉄道は、いまだに州によってことなった軌間を採用しているので、支障をきたしている。
線路の基礎になる地面を路盤という。線路のカーブは列車のスピードを制限し、上り勾配は高い馬力が必要となる。一般に線路は、地形にそって敷設されるが、多くの場所では、ほったり、切りくずしたり、土手をきずき、土盛りをして滑らかにする必要がある。最初の建設費用は、予想される操業費と収入とを勘案してきめられる。アメリカの鉄道は、国が発展する以前に建設されたので、当初の建設費用は一般には低くおさえられた。最近では、そのため、広範囲な改良が必要になった。 今日では、1%の勾配、つまり、100mの水平距離に対して1mの高低差が、急傾斜であると考えられている。近年の鉄道の改良計画では、重量貨物をはこぶ線路の傾斜は0.5%に制限されている。しかし、高速貨物サービスや時速160km以上の特急列車の出現によって、勾配よりもカーブが注目されるようになった。 列車の振動をのぞくために、カーブは、単純な円弧から半径を徐々に大きくするイーズメント・カーブ(緩和曲線)になってきている。列車はカーブにさしかかると、遠心力によって外側に力がかかるが、その遠心力に対抗するために、レールの外側を高くする。その高さは、カーブの程度と予測される列車の速度で決定される。 安定性を確保するために、土盛りは、数層につみあげてつくられる。各層は、次の層をつむ前に、土、砂利、その他の材料をしっかりつめこんで、線路の荷重を分散し、水はけをよくしたり、強度を増加させる。切れ込みをいれ、土盛りした路盤の両側は、土砂崩れをふせぐために、緩やかな傾斜にしなければならないが、その角度は材料の種類によってことなる。 切れ込みが石の場合は、側面は傾斜が比較的急でもかまわない。両側が土の場合は、浸食されて穴があくのをふせぐために、しばしば、芝生や石炭殻の厚い層でおおったり、土壌改良剤などがつかわれたりする。 路盤は、水によって大きな損害をうける。切れ込みや土盛りを水の被害からまもるために、路盤の路肩には排水用の溝がほってある。線路に平行にはしっている溝をせきとめたり、排水したりするために、予備用の溝や線路の地表下に敷設された排水管が必要な場合もある。 ときには、木材の板でささえたコンクリートの上に線路を敷設することもある。路盤が地面の湿気によってやわらかくなるのをふせぐ新しい方法は、路盤と地面の間に重いプラスチックやゴムの板をおくことである。路盤が軟弱である所では、サブバラストといって、バラストの下に1段バラストをもうけることもある。
鉄道が15~18m以上深い窪(くぼ)地を通過する場合には、構脚や橋、あるいは高架橋などがつかわれる。一般に、鉄道の改良には、路盤の路肩の幅をひろげることや、構脚や橋の強化が計画されてきた。 トンネルの建設はひじょうに費用がかかるため、線路が丘や山にさしかかると迂回して敷設することが多かった。トンネルは、かたい岩盤を切りひらく以外は、鉄筋コンクリートや耐食性の金属などで内部をおおわなければならない。ときには、水はけをよくするために、ゆるい傾斜のある所につくられることもある。
レールをささえる枕木は、もとは加工されていない木材だったが、現在ではクレオソートその他の防腐剤を注入するようになった。これによって枕木の寿命は5~6年から25~30年までのびた。またコンクリート製の枕木が一般的になった。枕木の寸法や一定区間につかう枕木の数がふえ、厳密な品質基準がつくられた。 枕木は、路盤の上に道床をつくってその上におかれる。道床はバラストともいい、昔は土や石炭殻のような材料でできていたが、今日では、一定の大きさの砂利や砕石、または鉱滓(スラグ)にかわった。砕石の不規則な形が空間をつくって水はけをよくすると同時に、レールに弾力性をあたえるので、荷重が道床に均等に分散される。道床の厚さは、ますます重くなる列車の荷重にたえられるように増加してきた。いくつかの路線では、道床の厚さは、600~800mmにもなっている。
世界で最初に電車を実用化したのは、ドイツのE.W.ジーメンスである。1879年にジーメンスは、ベルリンの郊外で電気機関車の牽引(けんいん)による電車の試運転に成功し、81年にはベルリン~リヒターフェルデ間で、電車の運行が開始された。以後、電車は、95年にアメリカの鉄道の短距離区間に導入され、庶民の足として都市交通に重要な位置を占めるようになった。 日本では1895年(明治28)に、京都市内ではじめて電車が運転された。第3回内国勧業博覧会(1890年)で公開されたスプレーグ式をもちいたもので、大型車両は、1914年(大正3)、東京~桜木町間に導入された。
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