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森林資源とその便益の産出を最高の状態に維持するために、森林を管理する産業のこと。林業はもともと森林を育成し、木材などの林産物を収穫することを目的とする生産的林業を主としてきた。しかし、近年では生活環境の悪化などから、従来生産的林業が副次的にもたらす効用とされた森林のもつ環境保全機能を維持することを目的とする保全的林業が重視されるようになった。 このため、林業は森林を切ることによって木材などがえられる生産機能と、森林を切らないことによってえられる環境保全機能を、総合的に、かつ高度に発揮するよう森林をとりあつかうこととしている。森林は再生産可能な資源で、立木を伐採したのち、植林または自然の力によって森林を造成し、成熟した立木をまた伐採利用できるという循環が、林業の特質のひとつである。
森林の産物である木材は、古くから建築、燃料、造船、橋梁(きょうりょう)、木工などに利用され、資源が枯渇すると、森林保護のため伐採規制がおこなわれるなど、森林にかかわる法令類の歴史はきわめて古い。 しかし、樹木の生理生態や森林の動態などを研究し、それらの科学的原理を森林経営に応用する独立した林業の科学は、ようやく18世紀後半のドイツで誕生した。これは、過去数世紀にわたって蓄積されてきた実務的な知識が科学的に解釈され、新しく創設した山林学校で系統的に研究、教育された。そして19世紀前半にヨーロッパ各国に広がり、19世紀後半には日本やアメリカに導入された。 近年では、各大学農学部の改革で、従来の林学科や林産学科は、森林の環境保全面が重視され、森林科学科、森林資源学科、生物生産学科、生物環境学科などと改編され、生産的林業のみならず保全的林業をもふくめた研究、教育がおこなわれている。
日本では、スギ、ヒノキの場合、成熟して伐採できるようになるには40~50年を必要とするので、収穫は40~50年に1回しかできないことになるが、一定の面積や本数を40~50分の1ずつ伐採すれば毎年、収穫が可能となる。しかし、林業経営を持続的におこなうには、資金、労務、機械などのほか、一定規模の森林面積と立木蓄積を必要とする。
日本の林業は、所有と経営との分離がすすんでいないため、森林の所有形態が林業の経営形態を規定している。最大の経営形態は林野庁所管の国有林で、その大部分は脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)や水源地帯にあり、日本の森林面積の約3割、立木蓄積ではほぼ4分の1を占め、農林水産省が企業特別会計(→ 特別会計)で運営している。ついで大学演習林や都道府県、地方公共団体の組合、市区町村、財産区が所有する公有林で、とくに北海道、山梨県有林が大きい。
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