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比較的低融点の金属などを融解し、中空の鋳型にながしこんで製品をつくる方法。日本での始まりは、弥生時代(→ 弥生文化)にさかのぼり、6世紀に公式に仏教が伝来すると、仏像や梵鐘(ぼんしょう)などの製造が盛んにおこなわれるようになった。とくに749年(天平勝宝元年)に完成した奈良東大寺の大仏は、大量の土砂をもりあげ、8度にわけて鋳造され、青銅の鋳物の上にアマルガム法(→ アマルガム)でめっきをほどこした金銅仏である。数度にわたって補修されたが、現在のものは、総重量458.8t、像の高さ14.86m、平均の肉厚は約1.3cmとなっている。 鋳造は、鍛造、押出加工、引抜、機械加工、圧延(→ 圧延機)などの方法とともに、現在でも広く活用されている金属加工法である。鋳造によってつくられた製品を鋳物あるいは鋳造品という。最終的な仕上げ工程がなく、鋳造だけで製品をつくることもあるが、一般には温度がさがってから、余分な部分をけずったり、表面を滑らかにする仕上げをおこなう。金属加工などでできる余分な部分を一般にバリ(burr)といい、英語ではそのほかにfin、flashともいうが、鋳造の場合にはとくに鋳ばり(いばり)といい、英語ではcasting fin、casting flashという。→ 冶金:彫刻の「鋳造」
鋳造で形をつくるには4つの段階がある。まず、つくろうとする鋳物と同じ形を木やプラスチック、金属などでつくる。この製品と同じ形につくられたものを原型というが、鋳造の原型のことは模型ということが多い。模型のうち鋳物とほぼ同じ形状のものをとくに現型(げんがた)という。次に、模型の周囲を砂などでかためてから、中の模型をとりだして中空の鋳型をつくり、鋳型に融解した金属をながしこむ。鋳造工程では、融解した金属のことを溶湯(ようゆ)または湯(ゆ)、湯をそそぐ鋳型の口を湯口(ゆぐち)という。最後に、湯が冷えてから鋳物をとりだす。
鋳物を少量しかつくらないときは、模型にはふつう表面を滑らかにした木をつかう。しかし、製品を多数つくるときは、プラスチック、鋳鉄、鋼、アルミニウムなどの金属をつかう。模型は、冷えたときの鋳物の収縮をおぎなうために、つくろうとする製品よりも寸法を少し大きめにつくる。模型の製作には、実際の寸法より長い目盛り間隔になった鋳物尺または伸尺(のびじゃく)という物差しをつかう。収縮する長さを縮み代(ちぢみしろ)というが、鋳物の材料によってことなり、一般の鋳鉄で0.8%、アルミニウム合金や青銅で1.2%、高力黄銅や一般の鋳鋼で1.4%、厚肉の鋳鋼では1.6%などで、それぞれの材料にあわせて鋳物尺が用意されている。 模型は1つの部品でつくることもあるが、複雑な形の場合は複数の部分にわけてつくると鋳型からはずしやすい。製品の形状が箱のように鋳型の奥行き方向に深くて平行な面がある場合は、模型に対して鋳型の面をわずかに傾斜させ、手前をやや広くしておく。この傾斜のことを抜き勾配(こうばい)、鋳型と模型の間にできるすきまのことを抜き代(しろ)といって、鋳型をくずさずに模型や鋳物をはずせるようにする。 模型が複数の部分からできているときは、突起と穴をつけてぴったりあわせる。突起をだぼといい、突起が入る穴をだぼ穴という。模型の成形と鋳造のもっとも単純な方法については、図「中空部のある鋳造」にしめす端につばのついたパイプの例を参照。その中の図1は完成した鋳物で、図2は模型である。この図では製品と同じ形をした1つの模型になっているが、これを単体型という、ほかに2つ以上の部分をくみあわせる割り型、すり鉢のような回転体の鋳造につかうひき型あるいは回し型というものもある。これは中心をとおる断面の半分だけ板で形をつくり、砂の中で中心を固定してコンパスのように回転させて全体の鋳型をつくる。
ほとんどの鋳型は、鋳枠(いわく:上側か下側が開いた箱)の中につくられる。鋳枠は上と下にわかれるようになっていて、あわせたときにそれぞれの箱がずれないように、突起と穴などで固定する(図3)。下側の箱は下枠、上側の箱は上枠とよばれる。鋳型をつくるときは、下枠に模型をおしこんで、周囲に鋳物砂(いものずな)をつめて下型をつくる(図4)。下型ができたところで別れ砂または仕切砂とよばれる特別な乾燥した砂を上下の型の境界面にふりかけ、砂をみたした上枠をかぶせて上型をつくる。次に、できた鋳型を上下にわけてはずし、模型をとりのぞいてから再度上下の鋳型をあわせる。 鋳型には、成形したままでつかう生型、表面だけを乾燥させるあぶり型、内部まで乾燥させる乾燥型、高温で焼きかためる焼型がある。 鋳型には湯がながれこんで鋳物になる空洞のほかに、型に湯をみちびく湯口を垂直方向にもうけ、湯口の上部には一定の湯をためておく湯だまり、湯口から水平方向に湯をみちびく湯道やせきとよばれる部分をつける。ほかに融解している金属をながしこんだときに出る蒸気をにがしたり、湯が鋳型にみたされたのを確認するために、上型にガス抜き用の穴や揚がりという穴をいくつか開ける。 金属は凝固しながら収縮していくので、予定どおりの形になるように湯を追加するが、追加する湯とその注ぎ口を押湯(おしゆ)といい、通常は、最後まで凝固しない肉厚の部分にもうけて、先にながしこんだ金属とうまく接合するようにする。 鋳型と湯口、湯道、せき、押湯、揚がり、冷やし金などの形状や配置、数量などを設計し鋳造の段取りをすることを湯口方案という。湯口方案を適切におこなうには、融解している金属の性質や冷却していく過程をじゅうぶんに理解したうえで、経験にもとづく知識が必要になる。
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