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宝石としてのダイヤモンドの価値を高めている特徴は、光輝(ブリリアンシー)とファイア(7色の光をだす性質)である。これは、光学的性質である屈折率と分散性が、天然の無色透明の石の中でもっとも高いことによる。つまり、屈折率が高いので、適切な角度に面をカットすると、外からはいった光がすべて内部で反射して、ふたたび外にでてくるようにできる。そのために、他の石にはない光輝があらわれるのである。また、光の分散性が高いために、白色光が虹色(にじいろ)に分離されやすく、石をただしくカットしたときに、虹色のきらめき(ファイア)をみせるわけである。 なお、ダイヤモンドの中には、日光や紫外線をあびるとリン光(燐光)をだすものがあり、その色はあわい青であることが多いが、黄、オレンジ、乳白色や赤色の蛍光をはなつものもある。→ ルミネセンス
ダイヤモンドの結晶は、等軸晶系である。八面体と斜方十二面体の結晶がもっとも多いが、まるくなったり、ゆがんだりしているものもある。ダイヤモンドの結晶は、つねに、八面体の面に平行な平面できれいにわれる。比重は3.515である。天然のダイヤモンドは、透明度や色がさまざまであるが、よい宝石になるものはすべて透明である。色がついたダイヤモンドには、炭素以外の元素が少しふくまれている。
ダイヤモンドの重要な性質として、熱をよくとおすが、電気はとおしにくいという性質がある。このすぐれた特徴を利用して、人工のダイヤモンド薄膜の上に集積回路をつくる方法が開発されている。集積回路に電流がながれるときにでる熱を、はやくにがすための放熱板として利用する。 ダイヤモンドは酸やアルカリに強いが、空気中など酸素の存在するところで熱すると800°C程度でもえてしまい、二酸化炭素になる。
ダイヤモンドができる仕組みは、まだ完全にはわかっていない。しかし、炭素がこのような結晶をつくるためには、高熱と高い圧力とが必要だったことは確かである。おそらく、地下の深い所の、とけた岩石(→ マグマ)の中でできたものと考えられる。その後で、ダイヤモンドをふくんだ物質が上昇しながら、キンバーライトのじょうご形の管状鉱脈であるパイプをつくっていった。ダイヤモンドは橄欖岩の中でできるようだが、できた場所からはなれた砂鉱床でとれることも多い。ときには、砂岩、礫岩(れきがん)などの堆積岩の中からみつかることもある。
インドでは紀元前から採掘されている。1867年、南アフリカのオレンジ川の近くで、あるボーア人が子供のあそんでいる石をみて気になり、鑑定してみると、これが21カラットのダイヤモンドの原石だった。このときから南アフリカでの鉱山開発がはじまり、現在では世界最大のダイヤモンド産出地となっている。はじめはオレンジ川とバール川の砂礫層からダイヤモンドを採集していた。その後、今のキンバリーの近くで「イェローグラウンド」が発見され、開発ラッシュに拍車がかかった。イェローグラウンドというのは黄色の粘土の土壌であり、ほぼまるい形をした部分(大きいもので直径1km)からダイヤモンドがみつかった。 さらに、もっと深い部分に青みがかった硬い岩石があることがわかり、これもダイヤモンドをふくんでいた。この「ブルーグラウンド」は、鉱物としては橄欖岩の一種であるキンバーライトといわれるもので、黄色の土はこれが風化したものだった。さらに採掘をすすめるうちに、まるいイェローグラウンドの部分は、キンバーライトのじょうご形のパイプの頂部にあたり、地下深くへとキンバーライトがつづいていることがわかってきた。その深さは、まだ確認されていない。同じようなパイプが、南アフリカの他の場所でも多く発見されているが、そのすべてがダイヤモンドをふくむわけではない。 アフリカの他の地域のダイヤモンド鉱床はほとんどが砂鉱床で、タンザニア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ガーナ、シエラレオネなどでみつかっている。オーストラリア、カリマンタン(ボルネオ)、ウラル山脈、シベリア、ベネズエラ、ガイアナでも発見されている。インドは、かつては世界で唯一のダイヤモンド産地だったが、今日では、礫岩層と1カ所のキンバーライト・パイプから産出されるだけで、量は少ない。ブラジルでは、ダイヤモンド鉱床がさまざまな場所にちらばっている。ミナスジェライス州ディアマンティナの近郊に1カ所、バイア州に1カ所、その他は中央ブラジル南部である。ブラジルの鉱山は、おもに工業用ダイヤモンドを産出している。
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