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近年、ハッブル宇宙望遠鏡やチャンドラ(X線望遠鏡)などにより、ブラックホールに関する新たな知見が次々とえられている。2001年9月にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のフレデリック・バガノフらの研究チームはチャンドラをつかい我々の銀河系の中心部にブラックホールが存在することを確認したと発表している。 2000年のアメリカ天文学会の講演会でテキサス大学のコーメンディ教授らはブラックホールと銀河の関係についての調査結果を発表した。ハッブル宇宙望遠鏡をつかい30以上の銀河を調査した結果、ブラックホールは、銀河内の恒星やガスを吸収して成長し、銀河の形成過程により大きさが決定するというのである。つまり銀河系のように中心部のふくらみ(バルジ)が小さな天体では、中心部のブラックホールは太陽質量の数百倍程度しかなく、巨大な楕円銀河(だえんぎんが)には太陽質量の10億倍近いブラックホールが存在する可能性があり、バルジをもたない円盤型銀河にはブラックホールはないか、あっても小さなものであるという。 このことを裏付けるかのような発見が2001年9月に発表された。米ニュージャージー州立ラトガーズ大学のメリット教授らは、銀河系近傍にある渦巻銀河M33の中心部には巨大なブラックホールが存在しないことをハッブル宇宙望遠鏡による観測結果として発表している。 一方、2002年(平成14)11月には文部科学省宇宙科学研究所(現、宇宙航空研究開発機構)と京都大学の研究グループが、我々の銀河系の中心部にもブラックホールが存在する確実な証拠をとらえたことを国際学会で発表した。同グループは、X線天体望遠鏡のチャンドラと「あすか」の観測結果から、銀河系の中心部の周辺にX線を出して発光する低温のガスの塊を3個発見したが、いずれも中心にむいた片側のみが光っていた。これらは中心部から約350光年はなれた「いて座B2」と90光年はなれた「電波アーク」および約240光年はなれた「いて座C」という領域でみつかったもので、中心部に太陽の100万倍以上の明るさでX線を出す天体があり、このガスの塊はそれを反射して発光する「X線反射星雲」と判明した。このため、中心部にはブラックホールが存在すると考えられている。 また、地球から約4億光年はなれたNGC6240とよばれる銀河の中心部に2つのブラックホールが存在し、合体しようとしていることをNASAが2002年11月に発表した。これはチャンドラの観測結果から判明したもので、2つのブラックホールは約3000光年はなれてたがいの周囲をまわっていることがわかった。そして、これらは数億年後には合体して超巨大ブラックホールになるとみられている。
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