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方位を計測するための器具。羅針儀、羅針盤ともいう。航海や飛行その他で、ある場所から他の場所にまちがいなく到達するためにつかわれる。→ 航法 基本的に2つのタイプがある。ひとつは方位磁針、方位磁石ともよばれる磁気コンパスで、中国では11世紀までに、ヨーロッパでは13世紀には、その原型となるものが航海用につかわれはじめた。もうひとつはジャイロコンパスで、20世紀に実用化された。 磁気コンパスは、磁気をおびた1つまたは複数の磁針(羅針とも)が、地磁気の影響で磁北(→ 磁極)をさすことを利用して方向を確認する。地磁気の影響をうけないジャイロコンパスは、ジャイロスコープをつかう。ジャイロスコープは、軸の周りを回転するこま(独楽)のような輪(ジャイロ)をもち、その軸を水平面内に固定しておくと、地球の自転に反応し、ただしく北をさす。
磁気コンパスの簡単なものは、固定した目盛板の中心に磁針をつけ、磁針が水平面の上で自由に回転できるようにしたものである。
羅針盤は、火薬、紙、木版印刷術とともに、中国人が発明したもののひとつとされる。中国では春秋戦国時代末の前250年ごろにはすでに永久磁石の方位をさししめす指極性は知られていたらしい。だが、方位を測定する道具として実際に船上で使用されたのは11世紀ごろの宋の時代になってからである。 1040年ごろに曾公亮(そこうりょう)らによって編纂(へんさん)された「武経総要」には、羅針盤の役目をはたした「指南魚(しなんぎょ)」を使用した記事がある。指南魚は、魚の形をした木片に永久磁石をとりつけ、これを水にうかべることで南の方向を知ることができた。当時の中国船にそなえられていた羅針盤は、貿易にたずさわっていたアラブ商人の手をへて、12世紀にはヨーロッパへつたえられた。羅針盤は14世紀ごろにイタリアで改良され、天体観測技術や海図作成技術の発達による航法の進歩とともに、のちの大航海時代を可能にした。
航海につかわれるのは大型の磁気コンパスで、目盛板の下にたくさんの磁針があり、これらが、ガラスのふたがついた擂鉢型(すりばちがた)の容器の真ん中で回転するようになっている。容器はジンバル(遊動環。たがいに直交する2つの回転軸で回転体をつる装置)でとりつけられ、船が横揺れや縦揺れをしても、方位目盛板が水平にたもたれる。
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