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項目構成
石炭は石油にくらべて、単位発熱量当たりの運搬や貯蔵のコストがかかるうえ、燃焼後の灰処理が問題となるが、現在も重要な燃料であることにかわりはない。最近ではガス化・液化技術、あるいは微粉末化して気流にのせたり液体にまぜて流体化(スラリー化)する技術などによって扱いが容易になったため、流通が合理化され、国によっては石炭の利用も増大傾向にある。たとえば重油と混合したCOM(石炭・重油混合燃料)、水と混合したCWS(高濃度石炭・水スラリー)、さらには石炭ガス化によって合成できるメタノールと混合したCMS(石炭・メタノールスラリー)などが実用化されている。このような石炭と各種液体との混合物を、CLS(石炭・液体混合燃料)とよんでいる。
石炭は各種の炭素材原料としても重要である。電極などの炭素材は、低温乾留からえられるタールやピッチから製造するのが主流だったが、最近では炭素分の多い粘結炭を粉砕し、これを加圧成形して500~3000°Cで焼結・黒鉛化することによって、従来よりも簡単な製造工程でしかも機械的強度の高い炭素材をつくることができるようになった(→ 焼結)。また石炭からは活性炭(活性コークス)もつくられ、吸着剤としての用途のほか、水処理、脱臭などの環境保全用にも実用化されている。
石炭を燃焼させたのちに灰がでるのは宿命であり、石炭利用の短所のひとつと考えられてきたが、今後も石炭を利用していくためには灰の積極的な有効利用が重要課題となる。石炭の最大の消費現場である火力発電所からでる灰(フライアッシュ)は、セメント混合用として利用されるほか、セメント原料、道路の路盤骨材、建材(軽量骨材)、人工魚礁などに利用する技術開発がすすめられている。また石炭灰のケイ酸分から遅効性のケイ酸カリ肥料の製造などもおこなわれている。
石炭燃焼による灰の処理とともに、排煙処理も石炭の利用には問題であり、石炭の排煙にふくまれる煤塵(ばいじん)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)といった環境汚染物質の除去技術の研究開発がすすめられてきた。微粉炭燃焼技術の改良によるNOxの低減はこれまでもおこなわれていたが、現在では流動層燃焼という燃焼技術によって、窒素分や硫黄分の多い低品位石炭の燃焼においてもNOxやSOxの生成をかなり抑制できるようになった。この流動層燃焼は、小型ボイラーや熱風炉ではすでに実用化され、この方法を応用した発電用の大型流動床ボイラーも開発されている。 近年、大気汚染、酸性雨、地球温暖化などの環境問題への対応と石炭の効率的な利用を目的として、世界各国でさまざまな研究開発がすすめられており、これらを総称してクリーン・コール・テクノロジー(CCT)とよんでいる。その項目を大別すると、COMやCWS、石炭ガス化・液化などの石炭ハンドリング技術、流動燃焼法、溶融還元製鉄(石炭直接利用製鉄)などのような熱効率向上技術、同時脱硫・脱硝技術、高性能な集塵(しゅうじん)技術などの公害防止技術、石炭灰の有効利用技術などである。
石炭化学は、石炭の化学的な性質や特性をさまざまな反応をつかって研究し、その成果を利用して石炭の構造を解明する化学技術の体系である。そこでつかわれる反応には、活性基の反応、溶剤抽出、抽出分解、水素化分解、縮合重合(→ 重合)や炭化などの熱分解(乾留)、酸素分解、塩素化分解などがある。別に、石炭の物理的な性質(物性)を研究し、その成果から石炭構造を解明する石炭物理という分野もあり、そこでは石炭の光学的、電磁気的、機械的、界面的な面からの構造解析がおこなわれる。しかし石炭の本質を総合的に理解するためには、化学・物理の両面からの解明が必要で、石炭化学と石炭物理とを区別することにあまり意味がないため、両者をふくめて石炭科学という場合もある。
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