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項目構成
原子力発電所はエネルギーサイクル全体の一部にすぎない。軽水炉でもちいられているウラン燃料サイクルが、現在世界的にもっとも広く普及している。このサイクルには多くの段階がふくまれている。ウラン235を約0.71%ふくんでいる天然ウランは、地表あるいは地下にあるウラン鉱から採掘され、濃縮ウランにされる。 濃縮ウランは燃料加工工場におくられ、核分裂性の酸化ウラン粉末にされ、セラミックのペレットにかためられ、耐腐食性の燃料棒につめられる。燃料棒は燃料単位にくみたてられて原子力発電所におくられる。 典型的な100万kWの加圧水型原子炉には約200個の燃料単位があり、ウラン235の劣化や中性子を吸収する核分裂生成物の蓄積のために、その3分の1は毎年交換される。使用された後の燃料は、それにふくまれている分裂生成物のためにおびただしい放射能をおび、相当量のエネルギーを発生している。炉心からとりだされた燃料は、水のはいった貯蔵用プールで1年以上保管されて冷却される。 冷却期間がおわると、使用済み燃料単位は厳重に遮蔽(しゃへい)されたキャスクとよぶ容器にいれられ、永久貯蔵施設か再処理工場に輸送される。再処理工場では、のこっているウランや原子炉で生成されたプルトニウム239が回収され、放射性廃棄物が濃縮される。
使用済み燃料の中には、ほとんど最初のままのウラン238と、約3分の1に少なくなったウラン235と、原子炉で生産された若干のプルトニウム239がふくまれている。直接に永久貯蔵施設におくられるときには、これらのエネルギー資源は利用されない。使用済み燃料が再処理されるときには、ウランは工場でリサイクルされ、核分裂性のプルトニウムは分離されて、新しい燃料のウラン235の一部におきかえられたりして使用される。 しかし、プルトニウム239は兵器生産に不法に利用される可能性があるので、アメリカでは使用済み燃料の再処理はおこなっていない。日本は、フランスの工場に再処理を依頼している。 増殖炉の核燃料サイクルにおいては、プルトニウムはいつも新しい燃料としてつかわれる。新しい燃料単位をつくるときには、リサイクルされたウラン238、同位元素分離工場で貯蔵されている劣化ウラン、回収されたプルトニウム239の一部が原料となる。現在累積している使用済み燃料だけでも、多くの増殖炉を何世紀にもわたって運転することができるので、ウランを新しく採掘する必要はない。 増殖炉は、自分自身に燃料を補給するのに必要な量以上のプルトニウムを生産するので、回収されたプルトニウムの20%は、将来に新しい増殖炉の運転を開始するときのために保存される。天然ウランにふくまれているウラン235をつかうのではなく、新しい燃料はウラン238から増殖されるので、ウランのもっている潜在的エネルギーの75%が増殖炉燃料サイクルで利用可能になる。 すべての燃料サイクルの最終段階は、何千年もの間、生物に危険をあたえる可能性を有する高放射性廃棄物の長期保存である。廃棄物の安全な貯蔵技術として、いくつかのものは満足いくように思われる。しかし、それを明らかにするような大規模施設は1件も建設されていない。使用済み燃料単位は、遮蔽され警備の厳重な貯蔵所で将来の処分のために貯蔵されたり、安定した化合物に変換されたり、セラミックやガラスの中に固化されたり、ステンレス鋼のキャニスターとよばれる容器に密封されたり、地下深く安全な地質構造にうめこまれたりする。
核エネルギーの解放は、結合エネルギー曲線の質量数の小さいほうの端においても、2つの軽い原子核がいっしょになることによっておこる。太陽のような星から放射されるエネルギーは、星の深い内部でおこなわれているこのような核融合反応から生まれている。そこに実現している巨大な圧力と1500万°Cという高温のもとでは、水素原子核が結合し、太陽が放出するエネルギーの大部分を生成しているのである。 原子核融合は、1930年代初期に、質量数2の水素の同位体である重水素の標的に、サイクロトロン(→ 加速器)で高エネルギーに加速された重陽子をうちこむことによってはじめて達成された。重陽子を加速するのに大きなエネルギーがついやされ、そのエネルギーの大部分は標的における熱となってうしなわれた。したがって有用なエネルギーはとりだされていない。50年代になって、最初の大規模な核融合エネルギーが解放された。それは、アメリカ、ソ連、イギリス、フランスによる水爆の実験であり、それらは制御されないエネルギーの爆発であった。
核融合においては、電荷をもった粒子が接近して結合する必要があり、そのためにはきわめて高い温度で粒子の運動エネルギーを大きくして反応させる必要がある。反応する気体の温度は摂氏5000万°Cから1億°Cの高温を必要とする。この温度では、水素の同位体である重水素と三重水素の気体は、核融合反応
もし気体の密度がじゅうぶんであれば(この温度では必要な密度は10-5気圧にすぎず、真空といってもよい)、エネルギーをえたヘリウム4原子核は周囲の水素ガスにエネルギーを伝達し、高温をたもち、融合反応の持続を可能にする、つまり核融合連鎖反応がおこる。このようになったとき、核融合が「点火」したという。
核融合を利用するための基本的課題は、(1)気体をこのように超高温に加熱すること、(2)じゅうぶんな量の反応原子核を、気体の加熱と閉じこめるのに必要なエネルギーをうわまわるエネルギーを解放させるのにじゅうぶんに長時間閉じこめることである。次の段階における重要な課題は、このエネルギーをとりだして電気出力に変換することである。 10万°Cの温度でも、水素原子はすべてイオン化する。気体は正の電荷をもった原子核と負の電荷をもった自由電子の、電気的には中性な集合体になる。物質のこの状態はプラズマとよばれる。
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