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広義のサケマス類は、硬骨魚綱サケ目サケ科の魚を意味する。この科の魚は北半球の中・高緯度地方に広く分布し、食用や釣りの対象としてどこでも重視される存在となっている。 教科書英語では、salmonをサケ、troutをマスと機械的に翻訳する習慣になっているが、これは日本語のサケやマスの本来の意味をとりちがえている。そのために混乱がおこり、日本語で書かれた学術文献などとの間に整合性がとれない。そこで、本項はサケ、マスを一括してあつかい、それぞれを日本語の原意を尊重した表記法にあらためた。
サケ科には3つの亜科がふくまれるが、その中のThymallinae亜科とCorregoninae亜科はほぼ生粋(きっすい)の淡水魚である。前者は川、後者は湖で一生をすごすスペシャリストのような存在である。 これに対して、サケ亜科Salmoninaeの魚たちは、川や湖、海のどこでも生息できるゼネラリストだが、卵には塩分耐性がないので繁殖だけはかならず淡水域でおこなう。これらの事実から、サケ科の魚の共通の先祖は純淡水魚であったと考えてよいだろう。 このように、サケ科は3つの個性的な亜科からなっているのだが、残念ながら日本にはサケ亜科の魚しか自然分布していない。そこで、以下では、サケ亜科の魚に焦点をしぼって紹介し、他の2亜科の魚は除外することにしたい。
サケ亜科の魚は、その形態的特徴からイワナ属Salvelinus、イトウ属Hucho、タイセイヨウマス属Salmo、サケ属Oncorhynchusに大別される。だが、生化学的な分析の結果では、イワナ属だけが他の属とは別の血縁集団に属し、サケ亜科全体が2つの血縁集団にわかれるとされている。
イワナ属の魚は、かつては数十種に分類されていたが、整理統合された結果、現在では10種以下となっている。これらの種の類縁関係についてもさまざまな研究がおこなわれてきたが、生化学的な分析結果と形態学的な分析結果が一部で食いちがっているために、最終的な結論はえられていない。
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