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感染症

感染症 かんせんしょう Infectious Disease
百科事典項目
項目構成
1

細菌感染

少し前までは、感染症といえば、赤痢や腸チフスのような細菌による病気が圧倒的に多かった。しかし、ペニシリンストレプトマイシンのような抗生物質の発見と、衛生状態が改善されて以来、細菌性の感染症は少なくなった。しかし、近年になって、薬剤に抵抗性をしめす黄色ブドウ球菌や結核菌の出現により、難治性の細菌性感染症が世界的に増加する傾向にある。

2

ウイルス感染

現在多くの患者を出す感染症は、細菌によるものは少なく大部分はウイルスによる。ウイルスの種類によって、インフルエンザのように集団感染を特徴とするもの、風疹のように先天的な異常をもつ子供が生まれる確率の高いもの、肝炎ウイルスのように肝炎肝硬変肝臓癌をおこすもの、レトロウイルスのように白血病やエイズをおこすものなどがある。ウイルスは生きている細胞内で増殖するため、ウイルスによる感染症に有効な特効薬はない。そのためワクチンによる感染予防が大切である。

3

プリオン感染

認知症(痴呆:ちほう)があらわれる疾患のうちクロイツフェルト=ヤコブ病などは、ヒトからヒトまたは実験動物に伝達が可能な病気である。パプアニューギニアでみつけられたクールーKuruと現地人がよんでいた奇病の発見が、核酸のみとめられない病原体による伝達性認知症の発見となった。現在はプリオンとよばれるタンパク質によっておこると考えられている。最近英国で変異型クロイツフェルト=ヤコブ病(BSE)とよばれるプリオン病の患者がみとめられ、世界的な話題となった。

4

新興・再興感染症

1993年ごろの時点において、過去20年間に新たに出現した感染症を新興感染症(emerging infectious diseases)、従来から存在したが最近患者数が顕著に増加した感染症を再興感染症(re-emerging infectious diseases)という。現在までに20種類以上が知られている。

新興・再興感染症は、1995年ザイール(コンゴ民主共和国)におけるエボラ出血熱の勃発(ぼっぱつ)や、96年大阪府堺市における病原性大腸菌O-157による集団食中毒によって、日本国内でも注目されるようになったが、米国では87年ごろから問題にされていた。新たな感染症が流行したり、従来からの感染症の患者が急激に増加する契機は、以下のような複数の要因が関与する。

人工の増加と都市部への移住
ヒトの生活様式の変化
村落の都市化
貧困の拡大と人工の密集化
洪水、干ばつなどの気候と自然生態系の変化
病原微生物の進化
公衆衛生学的基盤の崩壊
近代的交通と貿易の発達

5

性行為感染症

梅毒淋病などは性病とよばれていたが、近年は性行為にともなっておこる感染であることから、性行為感染症とよばれる。エイズが多発して以来、社会的に注目されるようになった。性行為感染症は、泌尿器や生殖器の感染とはかぎらない。単純ヘルペスウイルスには、口や眼などの顔面に病巣をつくる1型と、陰部にこのんで病巣をつくる2型が知られているが、2型の単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスもめずらしくない。性行為感染症はウイルスによることが多く、たとえば、白血病ウイルス(HTLV)、エイズのヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(肝炎)、EBウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスなどがあげられる。

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