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古代のマジャール人は東方の異教文化をもっていたが、10世紀のキリスト教への改宗後は西欧文化の影響下におかれ、宗教文学や年代記などでラテン語がつかわれるようになった。15世紀にルネサンスを経験し、16世紀の宗教改革に際して、民衆語であるマジャール語がラテン語にとってかわった。 18~19世紀にはフランス啓蒙主義(けいもうしゅぎ)や西欧的な自由主義を吸収する。このためハンガリーは、しばしば「西欧文明の防波堤」とみなされた。第2次世界大戦後の共産主義時代には、文化においてもソ連の模倣がみられた。→ ハンガリー文学
全国に約5000の公共図書館がある。ブダペストのセーチェニ図書館(1802年設立)が最大で、約240万冊の蔵書をほこる。ほかに国立文書館(1756)、ハンガリー科学アカデミー図書館(1826)、国会図書館(1870)など、主要図書館のほとんどがブダペストにある。 ハンガリー国立歴史博物館(1802)をはじめ、ブダペストには博物館も多い。
絵画は19世紀のロマン主義時代にひとつのピークをむかえた。国際的知名度は高くはないが、ムンカーチ、メルシェらが代表的な画家としてあげられる。20世紀ではモホリ・ナギが有名である。 10世紀のキリスト教の受容によって、グレゴリオ聖歌、宗教改革以後のコラールなど、西欧の宗教音楽がもたらされた。これに対して大衆音楽は東方の影響が強い。15世紀にはインド起源とされるロム(ジプシー)により、独特のはなやかな楽器演奏や歌がつたえられた。民俗音楽にはトルコ風の東洋的な和声の影響もみられる。 17~18世紀のハンガリー貴族は、お抱えのオーケストラや歌劇団をもち、外来演奏家をやとったりもした。オーストリアの作曲家ハイドンはその一例で、30年間にわたってエステルハージ家につかえた。 19世紀には、ハンガリー・オペラの創始者として知られるエルケル、ピアニストとしても名高いリストらすぐれた作曲家が輩出している。ドホナーニは20世紀後半までピアニスト、指揮者としても活躍した。20世紀以前のハンガリー音楽にはドイツ音楽の強い影響がみられたが、バルトークとコダーイはハンガリー民謡の収集、出版にとりくみ、その旋律をみずからの作品にもとりいれた。→ 民俗音楽:西洋音楽
第2次世界大戦前は農業国で、小規模におこなわれていた工業も戦争で破壊された。1948年の共産党政権の成立後、政府は工業化に重点をおいた一連の5カ年計画をすすめ、重工業の育成に専念した。しかし、68年にはじまった経済改革では、重工業偏重の見直しがはかられた。 1990年の非共産党政権の成立後、計画経済から市場経済への移行がすすめられ、また大規模な民営化も開始され、93年の段階で、すでにGDP(国内総生産)の約50%を民営部門が占めた。ハンガリーは外国企業にとっても魅力的な市場となり、89年以後の対東欧直接投資の50%以上が集中した。しかし、旧共産党が議会で勢力をもりかえしてからは、改革のペースが緩やかになっている。
国土の53.6%(2005年推計)が可耕地で、1980年代半ばには、その94%が集団農場や国営農場だった。穀物生産が中心で、トウモロコシ、コムギ、ビート、オオムギ、ジャガイモ、ヒマワリ、ライムギなどが栽培されている。牛、豚、ヒツジ、馬、家禽(かきん)などの畜産や酪農も盛ん。ワイン醸造もおこなわれており、トカイ産がとくに有名である。 2005年には、森林は国土の21.5%である。第2次世界大戦後、市街地の急激な拡大、大規模な開発、ずさんな植林のため、森林の破壊がすすんだ。1960年代から政府が伐採を制限し、植林計画を強化しており、1990年~2005年には、年間0.7%の樹木が植林されている。
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