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項目構成
社会主義時代はすべての鉱山が国有化され、生産も国が管理していた。石炭、ボーキサイト、石油、天然ガスを産する。 工業は鉄鋼、アルミニウム、セメント、革製品が中心で、ほかにレースなどの服飾品、農業機械、テレビ、ラジオ、ミシン、化学製品、肥料、綿製品などが生産されている。農産物加工品の輸出も盛んである。ただし、天然資源がとぼしいため、工業原料の多くを輸入にたよっている。
通貨の単位はフォリント(1フォリント=100フィレール)。ハンガリー国立銀行が銀行業務全体を統括し、通貨、為替、貯蓄を担当する。外国貿易銀行は貿易を、開発銀行は大規模投資をうけもつ。多額の対外赤字と未成熟な銀行制度が経済のネックになっている。 社会主義時代には、すべての卸売りおよび大部分の小売りが国家の管理下におかれ、外国貿易の半分がソ連、東ヨーロッパ諸国で占められていたが、1980年代以降は西側諸国との貿易がいちじるしく増大した。おもな貿易相手国はドイツ、旧ソ連諸国、イタリア、オーストリアなど。輸出品は、機械、輸送機器、農産品、化学製品、繊維、鉄鋼、輸入品は、原油、鉄鉱石、機械部品などである。94年にEU(ヨーロッパ連合)と連合協定をむすんで98年3月から加盟交渉に入り、2004年5月に正式加盟した。
ハンガリーでは、ドナウ川が交通の大動脈である。1992年、マインドナウ運河が開通し、黒海から北海への航行が可能になった。航空会社は部分的に民営化されている。道路の総延長は15万9568km(2002年)、舗装率は44%にとどまっている。 郵便、電信、電話はいずれも国営。電話は需要に対して業務がおいついていない。電話総数の半分がブダペストに集中し、地方はさらに整備がおくれている。放送では、国営ラジオが3本のステーションを、国営テレビが2チャンネルを放送している。1994年には民間テレビ局が開設された。 ブダペストの三大日刊紙はある程度政府の統制をうけるものの、出版物はほぼ完全に自由である。発行部数では、旧社会主義労働者党機関紙で、現在は独立系の「ネープサバチャーグ(人民の自由)」が最大。
労働人口の32%(2005年)が工業、5%が農林水産業、63%がサービス業その他に従事している。1992年に制定された労働法により、労働組合の結成の自由がみとめられている。労働者は軍人と警察官をのぞき、ストライキ権をもつ。
急速な工業化が原因で、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などさまざまな環境問題がおきている。大気汚染の原因は、おもに自動車の排気ガスと、電気機器製造工場の排気にふくまれる有害物質である。また、大気中の硫黄酸化物によっておこる酸性雨は、森林、水路、建築物などに大きな被害をあたえている。汚染された大気は風で広く周辺地域へとはこばれるため、近隣諸国でも同じような問題をひきおこしている。 河川、湖、地下水の汚染は、まったく処理されないまま河川にながされている工場廃水が原因である。また、ほとんどの家庭がじゅうぶんな衛生設備をもたないハンガリーでは、下水処理の不備も水質汚染の一因になっている。そのため中央ヨーロッパで最大の広さをもつバラトン湖の汚染は深刻な状況になっている。土壌も国内各地の工場からの化学物質をふくむ排水の垂れ流しによって汚染されている。ハンガリーにはヨーロッパ大陸の水路の大動脈というべきドナウ川がながれているので、周辺諸国の汚染が波及し、また逆に自国の汚染を周辺諸国に広めるなど、悪影響の相互作用がある。 国土の約8.8%(2004年)が公園や保護区に指定され、その地域では開発が制限されている。しかし、酸性雨や水質汚濁による森林破壊をくいとめることは不可能な状況である。
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