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  • 硫黄 - Wikipedia

    硫黄 (いおう、 英 sulfur sulphur サルファー )は 原子番号 16の 元素 。 元素記号 は S 。 酸素族元素 の1つ。多くの 同素体 や 結晶 多形 が存在し、 融点 、 密度 はそれぞれ異なる。 沸点 444.674℃。

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硫黄

硫黄 いおう Sulfur
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

無味、無臭、黄色の非金属元素。硫黄は、固体液体気体の状態で存在し、すべての元素の中でもっとも多くの同素体をもっている。どの同素体も燃焼すれば二酸化硫黄(亜硫酸ガス)になる。硫黄の存在は、有史以前から知られており旧約聖書(創世記)、新約聖書(ヨハネの黙示録)に記述がのこされている。もえやすいため、錬金術師は硫黄が燃焼に不可欠なものと考えていた(錬金術)。

元素記号S。原子番号16。原子量32.065。周期表の16族に属する。融点112.8°C(斜方硫黄)、119°C(単斜硫黄)。沸点444.674°C(斜方硫黄)。密度2.07g/cm³(斜方硫黄)、1.957g/cm³(単斜硫黄:20°C)、1.92g/cm³(無定形硫黄:アモルファス)。地殻中の存在量260ppm。安定同位体(同位体)の質量数と存在比は32S(硫黄32:94.99%)、34S(34:4.25%)、33S(33:0.75%)、36S(36:0.01%)。

II

性質

硫黄には、斜方硫黄(S8、Sa)、単斜硫黄(S8、Sβ)、無定形硫黄(ゴム状硫黄、Sg)とよばれる同素体がある。もっとも安定な斜方硫黄は黄色の塊状結晶で、水にはとけないが、二硫化炭素CS2にはよくとける。電気絶縁体(絶縁体)として利用されている。加熱すると95.5°Cで、針状結晶の単斜硫黄となる。溶融した硫黄を水中にながし、急冷することでえられるゴム状硫黄は、多数の硫黄原子がジグザグに結合したもので、ひっぱると結合角がかわるために弾性がある。純度の高い結晶硫黄からつくられたゴム状硫黄は黄色だが、純度の低い硫黄からつくられたものは暗褐色をしている。なお、単斜硫黄とゴム状硫黄は、常温で放置しておくと斜方硫黄にかわる。

硫黄は、高温に熱すると化学的反応性が強まり、白金以外のすべての金属化学反応して硫化物をつくる。もっとも一般的な硫化物は硫化水素H2Sである。硫化水素は無色で有毒の気体で、腐卵臭がする。硫黄が塩素と結合すると、その割合によって、一塩化硫黄(二塩化二硫黄とも)S2Cl2および二塩化硫黄SCl2が生成される。空気中で燃焼すると硫黄は酸素と結合して二酸化硫黄SO2を形成する。これは独特の不快臭のある重い無色の気体であり、しめった空気中ではゆっくり酸化して硫酸となったり、チオ硫酸H2S2O3や亜硫酸H2SO3といった酸の基礎成分となる。

二酸化硫黄は、ガス、石油および石炭といった化石燃料が燃焼する際に空気中に放出され、もっともやっかいな大気汚染の一因となる。空気中に存在する二酸化硫黄は、建物などの腐食、酸性雨の原因となったり、身体に異常をひきおこすことさえある。硫黄酸化物

III

存在

遊離状態で、また硫化物や硫酸塩など、金属と結合した状態で広く分布する。硫化物としては、方鉛鉱PbS、閃亜鉛鉱ZnS、黄銅鉱CuFeS2辰砂HgS、輝安鉱Sb2S3黄鉄鉱FeS2など、硫酸塩としては、重晶石BaSO4、天青石SrSO4石膏CaSO4・2H2Oなどがある。

遊離状態では、火山噴出物として火口周辺に存在することが多い。火山ガス温泉の中には、硫化水素や二酸化硫黄の形でふくまれている。アイスランドやシチリア島(イタリア)、メキシコ、日本などでは、火山のある地域で自然硫黄を産出する。アメリカでは、ルイジアナ州やテキサス州などに大規模な遊離硫黄の鉱床がある。

IV

製法

地殻から遊離硫黄を採掘するにはいくつかの方法がある。イタリアでは、硫黄をふくむ岩石を傾斜面に大量につみかさねて火をつけ、熱によってとけた硫黄を木型にながしこみ、そこで固化させるという方法がおこなわれていた。アメリカの大規模な硫黄鉱床が存在する地域では、フラッシュ法という採掘法がもちいられていた。これは、鉱床中にパイプをとおして高熱蒸気を注入し、硫黄を溶融させて地上にすいあげるというものであった。現在では、天然ガス中にふくまれる硫化水素の一部を空気で燃焼し、生じた二酸化硫黄と残りの硫化水素で硫黄を生成するクラウス法とよばれる硫黄回収法がカナダやアメリカ、ロシアなどで大規模におこなわれている。また、石油中の硫黄を水素処理によって硫化水素にかえて、クラウス法と同様な方法で硫黄を製造することもおこなわれている。

日本では、火山の火口周辺に露出した硫黄の採取が古くからおこなわれており、8世紀ころの続日本紀にも相模信濃陸奥などの国から朝廷に硫黄が献上されたと記されている。明治期から本格的な採取がおこなわれていたが、昭和30年代以降は、回収硫黄とよばれる、重油の脱硫や廃ガスの排煙脱硫などにより硫黄を抽出する方法にかわった。

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