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無味、無臭、黄色の非金属元素。有史以前から知られており旧約聖書(創世記)、新約聖書(ヨハネの黙示録)に記述がのこされている。もえやすいため、錬金術師は硫黄が燃焼に不可欠なものと考えていた(→ 錬金術)。
すべての元素の中で、もっとも多くの同素体をもつ。固体、液体、気体のかたちで存在し、どの同素体も燃焼すれば二酸化硫黄(亜硫酸ガス)になる。 高温に熱すると化学的反応性が強まり、金、白金以外のすべての金属と化学反応して硫化物をつくる。もっとも一般的な硫化物は硫化水素H2Sである。硫化水素は無色で有毒の気体で、腐卵臭がする。硫黄が塩素と結合すると、その割合によって、二塩化二硫黄S2Cl2および二塩化硫黄SCl2が生成される。空気中で燃焼すると硫黄は酸素と結合して二酸化硫黄SO2を形成する。これは独特の不快臭のある重い無色の気体であり、しめった空気中ではゆっくり酸化して硫酸となったり、チオ硫酸H2S2O3や亜硫酸H2SO3といった酸の基礎成分となる。 二酸化硫黄は、ガス、石油および石炭といった化石燃料が燃焼する際に空気中に放出され、もっともやっかいな大気汚染の一因となる。空気中に存在する二酸化硫黄は、建物などの腐食、酸性雨の原因となったり、身体に異常をひきおこすことさえある。→ 硫黄酸化物
遊離状態で、また硫化物や硫酸塩など、金属と結合した状態でひろく分布する。硫化物としては、方鉛鉱PbS、閃亜鉛鉱ZnS、黄銅鉱(Cu,Fe)S2、辰砂HgS、輝安鉱Sb2S3、黄鉄鉱FeS2など、硫酸塩としては、重晶石BaSO4、天青石SrSO4、石膏CaSO4・2H2Oなどがある。 遊離状態では、火山の噴出物として火口周辺に存在することが多い。火山ガスや温泉の中には、硫化水素や二酸化硫黄のかたちでふくまれている。アイスランド、シチリア島、メキシコ、日本などでは、火山のある地域で自然硫黄を産出する。アメリカでは、ルイジアナ州、テキサス州などに大規模な遊離硫黄の鉱床がある。
地殻から遊離硫黄を採掘するにはいくつかの方法がある。イタリアでは、硫黄をふくむ岩石を傾斜面に大量につみ重ねて火をつけ、熱によってとけた硫黄を木型にながしこみ、そこで固化させるという方法がおこなわれる。アメリカの大規模な硫黄鉱床が存在する地域では、フラッシュ法という採掘法がもちいられている。これは、鉱床中にパイプをとおして高熱蒸気を注入し、硫黄を溶融させて地上にすいあげるというものである。 日本では、石油の精製などからの回収、重油の脱硫、ガスの排煙脱硫などにより抽出する方法が多くなっている。
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