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無脊椎動物の1門を構成する、体構造の単純な数千種の総称。大部分は海生で、淡水種はわずかである。熱帯海域を中心に世界じゅうに分布している。熱帯海域では、サンゴとともに石灰質の堆積(たいせき)物形成に重要な役割をはたしている。 現生のカイメンの主要なグループは、すでにカンブリア紀の化石にみられる。今のところ、腔腸動物とカイメンは共通の祖先をもつとする見方が優勢である。
基本的にカイメンは、体表の小孔とよばれる数多くの穴から水と食物をとりこみ、大孔とよばれる上端の大きな開口部から水をはきだしている。内側の層には、鞭毛をもった襟細胞が多く存在し、水流をおこす役目をはたしている。各襟細胞の鞭毛は、うすい襟とよばれる円筒形の部分でかこまれている。体表と内側の層の間には中膠(ちゅうこう)とよばれる部分があり、ここでつくられるさまざまな形をした骨片が骨格を構成して体をささえている。骨片は、ごく小さいものから、長さ1mにおよぶものまで、種によって大きさも形もさまざまである。
カイメンの骨片の性質から、次の4つの綱に分類される。 (1)石灰海綿綱。すべて海生で、炭酸カルシウムの骨片でできた骨格をもつ。 生殖は、有性生殖と無性生殖がみられる。基本的に雌雄同体だが、有性生殖の場合、他家受精をおこなう。受精すると自由遊泳性の幼生が生まれ、新しい場所に定住する。無性生殖の場合は、体内に芽球とよばれる小さな芽ができて、この芽から新しいカイメンが成長していく。また、分離した細胞が新しいカイメンを再構成する能力ももっていることから、発生生物学者の関心をあつめている。 (2)六放海綿綱。深海に生息し、骨片がうつくしい六放星状のケイ酸質でできていることから、ガラス海綿ともよばれる。 (3)普通(尋常)海綿綱。現生種の95%がふくまれ、淡水生種も数種ある。かなり柔軟性のあるタンパク質、海綿質線維のみで骨格がつくられているが、ケイ酸質の骨片をもつ種も一部ふくまれている。沐浴用のカイメン(スポンジ)がつくられる種もこの中にふくまれる。 (4)硬骨海綿綱。大きな石灰質の骨格の周囲をうすいケイ酸質と海綿質の骨格がとりまいている。
カイメンには数多くの種があるが、浴用や化粧用、事務用として商品価値のあるものは6種である。この種のカイメンの骨格は、海綿質線維だけからなり、かたい骨片はない。やわらかく最上の品質をほこるのは地中海産種、ついで紅海産種である。西インド諸島産種はあらく耐久性でおとる。製品となるカイメンはダイバーの手で捕獲し、生きている組織を腐敗させた後、のこった骨格をあらい、脱色または染色して、店頭でみかける手ごろな大きさに切断する。 分類:海綿動物門。
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