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項目構成
最初の実用ミサイルといえるのは第2次世界大戦中にドイツが実用化したV-1号とV-2号である。V-1号はパルスジェット(間欠的に燃料を圧縮、爆発させるジェットエンジンの一種)を動力とする巡航ミサイルで、V-2号はロケットエンジンを装備した弾道ミサイルであった。 V-1号とV-2号はロンドン爆撃やアントワープの攻撃に使用されて一定の戦果をあげた。V-1号は飛行機並みの速度でかなりの数が撃墜されたが、V-2号は高速で落下するため、迎撃することはできなかった。また、ドイツは空対地ミサイルの元祖といえるHs-293やフリッツXを実用化した。フリッツXは1943年にイタリアの戦艦ローマを撃沈した。
戦後、連合国はドイツの技術資料を接収し、またアメリカがV-2号の開発者フォン・ブラウンをよびよせたのをはじめ、各国はきそってドイツの技術者をまねきいれて自国のミサイル開発をすすめた。アメリカとソ連が開発した大型ミサイルはV-2号を参考にしたものである。 世界初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)はソ連が1957年に完成させたSS-6である。多数の戦略爆撃機(→ 爆撃機)をもっていたアメリカはでおくれて、59年にアトラスを完成した。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)では、アメリカのポラリスが60年に原子力潜水艦からの初の水中発射に成功している。以後戦略弾道ミサイルは米ソ対立の中で核戦力の中心となり、次々と新型ミサイルが開発された。 また、V-1号はアメリカのレギュラスやソ連の各種対艦ミサイルの原型にもなっている。現在使用されているトマホーク巡航ミサイルは最新技術をもりこんだV-1号の遠い子孫といえるだろう。1950年代から60年代にかけて実用化された地対空ミサイルや対戦車ミサイル、空対空ミサイルも第2次世界大戦中のドイツの技術開発を基礎としてつくられたものが多かった。
ベトナム戦争では北ベトナムのソ連製対空ミサイルが、アメリカ軍機を多数撃墜し、その威力をしめした。一方、アメリカ軍機は北ベトナム軍機との空中戦で、空対空ミサイルを多数使用している。1967年の第3次中東戦争(→ 中東戦争)ではソ連製対艦ミサイルを装備したエジプト軍のミサイル艇がイスラエルの駆逐艦を撃沈し威力をしめした。73年の第4次中東戦争ではエシプト軍の装備するソ連製対戦車ミサイルがイスラエル軍戦車を多数撃破し、一時は戦車無用論がささやかれるほどになった。 現在、ミサイルは各国の軍隊で欠くことのできない装備となっており、各国は新型ミサイルの開発、生産に余念がない。
太平洋戦争中、日本も誘導兵器の研究をおこなったが実用化にはいたらなかった。戦後、自衛隊は1960年代に射程1600mの有線誘導の対戦車ミサイル64式対戦車誘導弾を開発し、70年代には79式対舟艇対戦車誘導弾を実用化した。さらに80年代にはレーザー誘導式の87式対戦車誘導弾を完成させている。また90年代に部隊配備された射程120kmの対艦ミサイル88式地対艦誘導弾は、最初地上をプログラミング誘導でとんだのち、海面に出て内蔵のレーダーと赤外線シーカーで目標を探知する国産の巡航ミサイルである。 なお、近年装備がすすめられている96式多目的誘導弾システムや01式軽対戦車誘導弾には、赤外線画像誘導方式が採用されている。 中距離対空ミサイルでは、1960年代にアメリカのナイキJとホークを導入した。その後、70年代にホークは改良ホークに、80年代にはナイキJがペトリオットに更新されている。また、海上防空用には60年代にアメリカのターターミサイルを導入し、70年代にスタンダードミサイルに更新した。その後、80年代末からアメリカ海軍の高性能防空システムであるイージス・システムを採用している。 携行式対空ミサイルはアメリカのスティンガーを導入したが、国産の91式携帯地対空誘導弾が開発された。また短距離対空ミサイルとしては国産の81式短距離地対空誘導弾と93式近距離地対空誘導弾が配備されている。空対空ミサイルではサイドワインダーに相当する90式空対空誘導弾が実用化され、スパローに相当する99式空対空誘導弾が開発されている。空対艦ミサイルでは91式、93式空対艦誘導弾、艦対艦ミサイルでは90式艦対艦誘導弾が実用化されている。
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