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稈(かん)という木質の茎をもつイネ科の多年生単子葉植物、約45属480種の総称。ほとんどが熱帯と亜熱帯地域産で、海辺から雪をいただいた山頂までにみられ、温帯地域に分布するものも多数ある。もっとも豊富なのは東南アジアで、アメリカ、アフリカにも数種分布するが、オーストラリアにはみられない。高さ約1mのヨシタケから、高さ50m根元の直径が30cmにもなるマチク属までさまざまである。ほとんどは直立しているが、密生したやぶをつくる、蔓植物のような種もある。
稈には節間(せっかん)という空洞の部分があり、節(せつ)というかたい仕切りによって規則的にしきられている。節ごとにある鞘(しょう)が、枝または花序となる芽をまもっている。タケの茎は地下を横にのびる地下茎(茎の一種で節があるので根と区別される)からでている。新芽の先端は、かさなりあう皮によって保護されていて、この皮は節間がのびるにつれておちる。芽の生長は最初はおそいが、生長率が急に増大し、1日に1mものびることがある。若いタケは葉がなく、完全にのびきるまで枝をださないのがふつうである。節ごとにある芽から枝がでて、それぞれの枝からさらに第2、第3の枝がでる。最後の枝には線形で脈の多い扁平な葉がつく。 タケの稈はふつう緑色をしている。それは表面のすぐ下の組織に葉緑素が豊富にふくまれているからである。このように、稈は光合成の役割をはたしているが、葉がでる前にのびているのでその役割は大きい。 タケの花の構造は基本的にはイネ科のほかの植物と同じである。しかし、花の構造を細かくみると、イネ科では原始的なものと考えられる。それは、鱗被(りんぴ:子房の基部につく鱗片状のもの)が3個、柱頭が3個であることなどからわかる。それに対して、イネ科のほとんどは、鱗皮が2個、柱頭が2個という特徴がある。 ほとんどのタケはごくまれにしか開花しない。60年に1度、または120年に1度しか開花しない種も少なくない。ある種では、タケやぶのタケが全部いっせいに開花し、さきおわって種子ができるとかれてしまう。種子または地下茎からでた新しい稈で種は存続するが、再生するには数年かかる。開花の周期が長期にわたるので、同一株のものかどうか確認するのはむずかしい。タケの大開花の原因については、植物自身の周期説、植物がもつ炭素と窒素の割合による説、栄養条件説などがあるが、解明されていない。
ふつう日本では、丈が高く稈が太いものをタケ、丈が低く稈が細い小形のものをササとよんでいるが、正確ではない。両者は、タケノコが生長したあと、稈鞘(かんしょう:タケの皮)がその年のうちにおちるのをタケ、長くのこって稈をつつみ、ぼろぼろになるまでおちないのをササとして区別する。 この分け方は分類学的なものではないので、和名についているタケ、ササのよびかたと逆のものもある。たとえば、メダケやヤダケはササの仲間にはいり、オカメザサはタケの仲間にふくまれる。
タケ類のおもな属は、マダケ属、ナリヒラダケ属、トウチク属、カンチク属、オカメザサ属などである。ササ類には、クマザサ属、メダケ属、カンチク属、ヤダケ属などがある。このほかに日本には野生種がないバンブー類があり、ホウライチク、シチク、タイマチクなどがふくまれる。タケ、ササ、バンブー類をイネ科から独立させて、タケ科とする説もある。
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