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樹脂の本来の意味は、植物から分泌された粘り気のある液体がかたまった天然樹脂をさす。しかし今日では一般にプラスチックとよばれる合成樹脂のことも樹脂とよんでいる。
天然樹脂は、植物がみずから傷を保護するために出す分泌物。樹木を傷つけると外皮に樹脂がしみだし、傷をおおうコーティング層をつくり、病原性微生物の侵入を防いだり、傷口から樹液が流れ出すのを防ぐ効果がある。塗料や香油(→ 香水)として有用な樹脂は、樹木に切れ目をいれ、流れ出る液状の樹脂をあつめる商業生産が古くからおこなわれてきた。
天然樹脂は黄色から褐色をしていることが多く、空気にさらされると固化し、火をつけると煙と炎をあげて燃焼し、芳香をはなつ。化学組成は樹脂によってことなるが、炭素、水素、酸素をふくむ有機化合物である。一般に水にはとけず、アルコールやエーテルなど有機溶媒にとける。コハク(琥珀)は樹脂が化石化したもので、多くは堆積(たいせき)した土壌(→ 堆積物)からえられる。琥珀の中にはときおり、樹脂にからめとられた昆虫などが閉じこめられていることがある。また樹脂の中でも、シェラックは植物の分泌物ではなく、東南アジアに生息する昆虫のラックカイガラムシが木の枝に分泌する物質からとったもので、電気絶縁用成型品(→ 絶縁体)や、合成樹脂製のレコードが登場するまでレコード材料としてつかわれていた。
天然樹脂は硬度と化学組成によって硬質樹脂、含油樹脂、ガム樹脂の3種類にわけられる。含油樹脂は粘着性のある準固体状の物質で、揮発性の精油をふくんでいる。バルサム、麒麟血(きりんけつ)、テルペンなどがある。 テルペンは広くつかわれている含油樹脂で、その精油は塗料やワニスの溶媒として、また靴クリームやシーリングワックスの製造にももちいられている。帆船の時代にはテルペンは船体や樽(たる)の気密をたもつこと(コーキング)や防水に利用された。硬質樹脂には琥珀、コパルなどの化石の仲間やロジンなど含油樹脂を蒸留してできた固形物がある。コパルは東アフリカなどに生えるコパイフェラ・デメウイシという木の樹脂の化石で、ワニスやラッカー、印刷インキなどにつかわれる。ロジンは松脂(まつやに)を蒸留、テルピンと分離してつくった樹脂で、ワニスや塗料の成分、石鹸や紙の製造、弦楽器の弓の滑り止め用コーティングなどにつかわれている。乳香、ミルラ、安息香などの樹脂はガム成分をふくんでおり、ガム樹脂とよばれる。
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