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16世紀になると、探検家たちがコチニールカイガラムシ(→ カイガラムシ)からとれるコチニールや、ロッグウッドなどの染料をアメリカ大陸からもちかえった。ほかにも、クエルシトロン、ホザキモクセイソウ、フスチック、スオウ、ベニバナ、アイ(インディゴ)などの原料があった。1540年には、ヨーロッパで最初の染色解説書がロセッティによって書かれている。
1856年にイギリスの化学者パーキンは、コールタールからつくられるアニリンを酸化して藤色の染料モーブを合成、大量生産する方法を開発した。以後、多くの合成染料が開発され、天然染料の使用はかぎられたものとなった。
日本でも、すでに弥生時代には染色がおこなわれていたと推定され、魏志倭人伝には、2世紀初めに倭の女王から染色した布が魏王におくられたと記述されている。603年に制定された冠位十二階には、身分に応じた6色の衣服が規定されているが、これは、染色技術が進歩したことを裏づけている。
染料は、天然染料と合成染料にわけられる。今でも大量に利用されている天然染料に、ロッグウッドがある。ロッグウッドは、絹、羊毛、アセテート、ナイロンにしみこんで深みのある黒色になる。特殊処理につかう天然の無機質染料をのぞけば、織物の染色につかう染料のすべては合成有機物である。 合成染料は染料の化学構造によって分類するか、織物の染め方によって分類する。ふつう染料メーカーは化学的構造で分類し、染色業界は染色法で分類している。染色業界の分類法にしたがうと、直接染法と媒染染法にわかれる。 直接染法は、繊維を直接染料の溶液につけて染色する方法で、媒染染法は、染色前か染色後に、繊維に媒染剤をくわえる方法である。つまり媒染染法は、染料そのものが繊維と化学反応をおこすのではなく、媒染剤をくわえることで発色し、繊維と複雑にからみあって退色しない色となる。
直接染料の中の木綿染料は、おもに木綿、レーヨン、アマ、ラミーなどのセルロース繊維、およびタンパク質繊維や合成繊維の染色につかわれる。この染料の多くは、光線と、冷水、温水での洗濯に対しては退色しにくいが、あつい湯で洗剤をつかって洗濯すると退色する。ほかに直接染料では、酸性染料と塩基性染料がある(→ 酸と塩基)。酸性染料はスルホン基、カルボキシル基などの分子構造をもつもので、絹や羊毛のようなタンパク質繊維やナイロンのような合成繊維につかわれる。塩基性染料はアミノ基を分子構造にもち、絹、羊毛、ジュート、ナイロン、アセテート繊維、アクリル繊維などの染色につかわれる。酸性染料も塩基性染料も、セルロース繊維の染色にはつかえない。
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