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項目構成
もっとも簡単な媒染染法は、染料液で染色する前に、前もって媒染剤か定着液を繊維にしみこませる方法で、以前はタンニンが重要な媒染剤であった。この処理により、塩基性染料を木綿などのセルロース繊維の染色に利用できた。 今日よくつかわれる媒染剤はアルミニウム、クロム、銅、鉄などをふくむ複雑な化合物である。クロムを羊毛、絹、ナイロンにつかうと退色しにくくなり、銅はアクリル繊維の染色につかわれる。ふつう媒染染法には、繊維を錯塩の溶液で処理する、繊維をアンモニアの槽(おけ)につける、染料の槽で染色する、の3つの工程がある。 アンモニアは金属塩と反応して、繊維の表面に不溶性の金属水酸化物を生成する。次に金属水酸化物は染料の溶液と反応して、レーキとよばれる安定した不溶性の有色化合物をつくる。
建染(たてぞめ)染料や硫化染料などの染料は水にとけない。この場合は染料を化学的に還元して、水にとけるロイコ化合物にかえる必要がある。建染染料や硫化染料で染色するには、繊維をまずロイコ化合物の溶液につけ、空気か酸化触媒にさらすことで化学反応がおきて、安定した不溶性の染料ができる。ロイコ化合物溶液はアルカリ性が強いため、動物性のタンパク質繊維の染色にはつかえないが、何度洗濯しても色があせないため、植物性のセルロース繊維の染色にもっともよくつかわれる。そのため、建染染法は、還元染法ともよばれる。
このほかに、分散染料、反応染料、顔料をつかう染色法などがある。分散染料で染色したアセテートやナイロンやポリエステル繊維は、たびたび日光にさらされても、くりかえして洗濯しても色があせないという特徴がある。 反応染料は、1956年に木綿、レーヨン、絹、羊毛の染料として開発され、染色法に革命をもたらした染料である。ほかの染料は、繊維とのゆるい結合を形成するだけだが、反応染料は、繊維と安定した化学的結合を形成するので、染色した織物はきわめて退色しにくいものとなる。 顔料は細かい粉末状の粒子で、合成樹脂を結合剤として繊維と結合する。木綿、レーヨン、ナイロン繊維の染色につかわれる。光や酸、アルカリに強く、退色しにくく、化学変化をおこさない性質があるため、染色しにくいガラス繊維にとくに有用である。溶解しているガラスも繊維をつくる前に、金属塩をつかって染色することができる。
織物は生産工程のどの段階においても染色できる。繊維を染色してから、模様のある織物や無地の織物におりあげることもできるし、織物の布地に、後からいくつか工程をへて色彩的なデザインをほどこすこともできる。 染色では、ニッケルと銅の合金であるモーネルメタルなどの耐酸性の合金で酸性染料の槽をつくる。ステンレス製の槽は、塩基性染料と天然染料とにつかわれる。紡(つむ)ぎ糸を染色するときは、孔(あな)のあいた紡錘(ぼうすい)にまきつけ、その孔から紡錘にまきつけた糸全体に染料の溶液が圧力で均等にいきわたるようにする。紡ぎ糸は、「かせ」とよばれる枠にまきとりながら染色することもできる。織物は、繊維の特性にあわせて設計した装置で染色する。
模様をプリントして染色することを捺染(なっせん)という。捺染には直接法、防染法、漂白法の3つの方法がある。直接法は、まず模様のデザインを銅製のローラーにエッチングし、のりやゼラチン、あるいは合成ポリマーをつかってペースト状にした染料を、エッチングした面にぬり、圧力をかけて織物にうつす。 直接法には、ペースト状の染料をスクリーンにかけて捺染する方法もある。この技術は、孔版印刷(→ 印刷)の技術を応用したものである。インクジェットプリンターに特殊な染料をいれて、コンピューターでえがいた模様を染色する方法もある。 防染法は直接法を逆にしたもので、まず、染料をはじく物質を織物の必要な箇所にぬり、それから染料の槽につける方法で、ある色彩を背景にした白い水玉模様などをつけるときに利用する。日本に古くからあるろうけつ染も、パラフィンで防水した防染法の一種である。漂白法は、まず織物全体を染色する。次に、染料を漂白する化学薬品をつかって模様を織物にえがくと、ある色彩を背景にした白い模様がうかびでてくるという技法である。→ 型染
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