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ローマ人たちは、木造のトレッスル橋を多くつくった。この橋がどんなものであったかは、カエサルの「ガリア戦記」にくわしく記録されている。しかし、現存している帝政ローマ時代の橋は、ふつう上は平らな道路で、その下を1層あるいは2層以上の半円形の石造りのアーチでささえたものであった。 ローマ時代初期の例としては、前219年ごろスペインのバルセロナに近い、マルトレルにつくられた橋がある。前1世紀のものとしては、イタリアのリミニにあるポンテ・ディ・アウグスト橋がある。フランスのニームにあるポン・デュ・ガールは、長さ275m、高さ47.2mにもおよぶアーチが3段重ねになり、大規模なローマ時代の水道橋としてもっともよく原形をとどめている例であろう。建設されたのは、前1世紀である。 半円形のアーチにつづいて、尖頭アーチが短いスパン(支点間距離)につかわれた。近代のアーチ橋は、弓形または半楕円形のアーチをつかって長いスパンをとり、アーチを高くしなくても自由に船などが下をとおれるようにしている。1803年、イギリス人の土木技師ジョン・レニーが設計した、スコットランドのケルソーをながれるトウィード川にかけられた橋は、半楕円形のアーチをつかった橋として重要である。
ガーダー(大梁)による橋は、ガーダーの強度によってスパンに制約がある。この構造上の制約は、部材を三角形を基本にくみあげたトラスを導入することで解決している。トラス橋は、三角形にした補強部材をくみあわせて、主桁(けた)にもちいたものである。 レオナルド・ダ・ビンチは、トラスをつかった橋のスケッチをのこしている。イタリアの建築家アンドレア・パラディオの作品にもこの橋がある。1760年ごろ、スイスでトラスをつかった橋が2カ所でつくられたが、1840年になるまでそれほど多くはなかった。アメリカ合衆国では、50年ごろには木造のトラスから鋳鉄と錬鉄をくみあわせたトラスにかわり、のちに鋼製のトラスに発展した。
1800年ごろアメリカでつくられた吊り橋は、川の両岸にたてた塔のような構造物の間に鎖をわたしたもので、この鎖から吊り棒で水平な路面をささえた。約10年後には、同じ方式の橋がイギリスでもつくられている。16年には、はじめてワイヤーケーブルをつかった吊り橋が、フィラデルフィアのスクールキル川にかけられた。
現代の橋を分類するときは、構造、および構造材料を基準にするのが一般的である。現代の橋には、片持ち梁の橋、吊り橋、鋼製アーチ橋、コンクリート製アーチ橋、組積造アーチ橋、鋼製トラス橋、鋼製ガーダー橋、および船橋などがある。橋の下を船が通過できるようにする必要がある場合、橋桁を高くできないときは、主桁を可動式にする工法をとる。
片持ち梁による橋の特徴は、橋のスパンを両端で支持しないで、ガーダーやトラスの中央部近くで支持することにある。 たとえばスコットランドのクイーンズフェリーにあるフォース橋は、1882~90年に、イギリスの土木技師ジョン・ファウラーとベンジャミン・ベイカーによって建設された、片持ち梁方式による鋼製の鉄道橋である。橋の全長は1.6km以上におよび、2つの主要なスパンはそれぞれ521.2mある。カナダのセントローレンス川にかかるケベック橋は1917年に完成した。主要なスパンは548.6mある。橋には複線の鉄道線路と道路がはしっている。 サンフランシスコのバレーオの近くにあるカーキネス海峡橋は1927年に完成し、橋の2つの主要スパンはそれぞれ335.3m、さらに橋を固定するため152.4mのスパンをもうけた耐震構造となっている。インドのコルカタのフーグリ川にかかるハウラ橋は、主要なスパンが457mある。これは43年に完成した。ミシシッピ川にかかる2本のグレータ・ニューオーリンズ橋は、ともにスパンが480mある。
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