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ペナムpenamともいい、アオカビからとりだされたβ-ラクタム系のペナム類抗生物質の総称。
ペニシリンの作用を最初に発見したのは、1928年、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングである。しかし、生産できる量がわずかだったので、医学界からは無視され、感染症の治療は、サルファ剤が全盛となる。
その10年後、イギリスの生化学者アーネスト・チェーン、同じくイギリスの病理学者ハワード・フローリーらによって1940年にペニシリンが再発見され、量産にも道が開けた。翌41年には臨床的に有効性が確認された。これをうけて、アメリカではイギリスの研究者をまねいて、大規模な量産を開始した。ちょうど第2次世界大戦のさなかだったため、製造された薬品は、大量に戦場へとおくられていった。
ペニシリンははじめ、数種類の成分がまざった状態で抽出された。やがてその中のペニシリンGという物質が薬として利用されるようになった。ペニシリンGは、細菌の細胞壁の合成を阻害する。そのため細菌は成長も増殖もできず、破壊される。ブドウ球菌、肺炎球菌、連鎖球菌、淋菌、髄膜炎菌、破傷風菌、梅毒スピロヘータ(→ 梅毒)などに効果がある。 ペニシリンのおかげで、細菌性の心内膜炎、敗血症、ガス壊疽(えそ)、淋病、しょう紅熱など、死にいたる病がなおるようになった。ペニシリンの作用は、細胞壁をもたない人間の細胞にはおよぶことはなく、一般に副作用も少ない。ただ、まれにアレルギー反応がおき、ショック(→ アナフィラキシー)で死亡することもある。そのため、使用前には、アレルギー反応テストをおこなう。アレルギー体質の人は、とくに注意を要する。 ペニシリンは酸に弱いため、飲み薬として使用すると、胃酸でこわされてしまう。そのため、注射によって投与される。
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