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項目構成
プロローグ; 古代のダム; 近代のダム; 設計上の考慮; ダムの高さ; ダムの設備; ダムの種類; コンクリートダムの形式; エンバンクメントダムの形式; ダムの目的; ダムの建設; 日本のダム史; ダムによる被害; ダム建設のエピソード; 民主党政権ですすむダム建設見直し
ダムの高さ(「堤高」という)は、建設現場の地形によって制限されるが、もし、ダムのおもな目的が発電なら、ダムの高さはきわめて重要である。というのは、水力発電によってえられる電力は、ダムにためられた水の高さにほぼ正比例するからである。洪水防止用のダムの場合は、貯水容量がもっとも重要である。一定の高さ以上になると、貯水容量を増加させても、建設費用がそれに輪をかけて増加するため、採算がとれなくなることがある。そのほかには、ダムによって水没する土地や家屋、道路や鉄道に対する補償なども考慮されなければならない。 ダムによってつくられる湖や貯水池は、広大である。たとえば、1959年に完成し、ジンバブエとザンビアで共用している、ザンベジ川につくられた高さ128mのカリバ・ダムは、長さ282km、面積5180km²におよぶ人造湖のカリバ湖を生んだ。
完成したダムは、ある一定の水位を保持していなければならない。したがって、増水により貯水量がますと、その一部をダムから放流する必要がある。そうした過剰な水を放出するための排水溝を洪水吐(こうずいばき)といい、ダムの主要設備のひとつである。 洪水吐のもっとも一般的なものは、堤体の表面から水をながす越流型(オーバーフロー)である。この形式では、ダムの一部が、ダムの頂上よりいくらか低くなっていて、そこの水門を開閉することで放水を調節する。ミシシッピ川にかかっているダムの場合、洪水調節のための放水量が多いために、洪水吐は川幅いっぱいになり、全体の外観は、まるで開閉可能な水門をささえる垂直な防波堤のようにみえる。 洪水吐のもうひとつの形式は、滑り台のようなシュート式のもので、これは、あまり高くない築堤式のエンバンクメントダムの周囲に構築された、ゆるい傾斜のコンクリートの水路である。 岩場の渓谷にある、高いアーチ式ダムの場合は、通常、越流型の放水では落水面が急すぎる。そこでコロラド川にかかるフーバー・ダムでは、管路型洪水吐がつかわれている。管路型は、大きな洪水になることがないような、ごく限定された地域のダムにつかわれる。水位がある一定の基準より高くなるとダムの上流にある垂直な管が貯水を下にながす。この垂直な管はダムを貫通してもうけられている大口径の水平な導管とつながっており、そこをとおって下流の川に水をながす。
洪水吐のほかに、貯水池から継続的に水がひけるような、取水設備もダムの主要設備のひとつである。そのようにしてひかれた水は、ダムの下流の川に放水され、水力発電機で発電したり、灌漑につかわれる。ダムの取水設備は、パイプまたはトンネルででき、最低水位近くに取水口がついている。そのような人工水路には、流水量を調節するための水門またはバルブがついている。
いったんダムを通過して下流の川にもどった水が、川床やダムの基礎をおしながしたり、浸食するようなことがあってはこまる。そこで、スティリング・ベイシン(水の流速をゆるめる溜池)とよばれるものをもうける。そのような池は、ダムの構造上、ダムと一体不可分である。 落下する水の高いエネルギーを消散する方法には2つある。エプロン・ベイシンとフリップ・バケットである。エプロン・ベイシン式とは、ダムから流出する高速で浅い流れを、水平かやや傾斜のある、ダムの土台から川下にのびているコンクリートのエプロンにそって放水し、低速で深い流れにかえるやり方である。フリップ・バケット式とは、ダムの基礎にシルという突起をつけて、高速の水流を川床から上にはねあげ、水の破壊的エネルギーを消散する方法である。
ダムは、ゲート(水門扉)のように移動できる可動式ダムと、本体の主要部分がうごかせない固定式ダムとにわけられるが、現在のダムは、ほとんどが固定式である。ダムを目的別に分類すると、水道用、灌漑用、発電用、治水用、砂防用、鉱滓扞止(こうさいかんし)用、多目的となるが、近年は、建設コストの問題から、多目的化しつつある。また構築材料で分類すると、コンクリートダム、土・砂礫(されき)・岩石などからなるフィルダム、それらの複合ダム、鋼鉄でつくられた鋼鉄ダムなどがある。 設計理論によって分類すると、重力ダム、アーチダム、バットレスダムなどにわかれる。ひとつの構造は、2種類の形式をふくんでいる。たとえば、カーブトダムは、安定性を確保するために、重力ダムとアーチダムの構造をあわせもち、エンバンクトメントダムは、洪水吐をもつ強固なコンクリートの重力部分をもっている。 ある場所にダムを建設する場合、形式の選択は、技術的な面と経済的な面とを検討して決定される。いろいろな形式のダム建設のコストは、資材の調達と輸送費に影響される。ダム建設現場の地盤の状況だけで、ダムの形式を決定することもある。
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