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中華人民共和国の南東部、南シナ海沿岸にある特別行政区。正式には中華人民共和国香港特別行政区(Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China)といい、外交と国防をのぞく高度の自治権をもつ。地名は約2000年前、このあたりで香木の一種、伽羅(きゃら)の栽培や積み出しがおこなわれていたことに由来するという説をはじめ、諸説がある。コワントン省(広東省)の省都コワンチョウ(広州)から南東へ150km、チューチアン(珠江)河口の東側に位置し、北部はシェンチェン河(深圳河)をはさんで経済特区の深圳と対する。香港島、カオルン(九竜)、シンチェ(新界)、ランタオ島など大小235以上の島々からなる。面積は1102km²。人口は679万人(2002年)。
住民の98%は広東省やフーチエン省(福建省)出身者をはじめとする中国人が占め、大半が仏教や道教を信仰している。そのほかフィリピン人、アメリカ人、イギリス人、インド人などがすむ。2004年10月1日現在の香港における日本人長期滞在者は2万5541人(外務省「海外在留邦人数統計」)である。英語と標準中国語が公用語だが、広東語が広くつかわれている(→ 中国語)。住民のほとんどは九竜と香港島に集中し、世界でもっとも人口が密集した地域のひとつになっている。入り江や海岸でジャンクやサンパンといった船でくらす水上生活者もいる。 地形的には山並みが海岸にむかっておちこみ、沖合にはランタオ島をはじめとする大小の島々がうかび、天然の良港をつくっている。北回帰線のすぐ南にあるため亜熱帯モンスーン気候に属し、高温多湿で、春と秋は短い。年間の温度変化は10°C前後と小さく、年降水量は2000mmをこえる。川は北部をのぞいてほとんど発達していないため、水源確保のため貯水池がつくられ、中国本土から水道管をひいて大量の供水をうけている。
貿易、製造業、不動産建設、観光の各産業が、香港経済の4本柱といわれる。2006年のGDP(国内総生産)は1898億米ドル、1人当たり2万7679.20米ドルに達する。 農漁業は新界北部での野菜、果物の栽培や沿岸漁業にかぎられる。一方、製造業は紡績、縫製、電気、コンピューター、時計、プラスチック、玩具(がんぐ)などの加工型の工業が発達し、製品の大部分は海外に輸出される。 香港はまた、国際的な金融・貿易センターとして知られる。香港島のセントラル(中環)地区を中心に金融街が形成され、香港上海銀行など100をこえる銀行がたちならぶ。香港の株式取引所はアジアにおける重要な金融市場のひとつである。多くの多国籍企業がアジア地域統括本部を香港にもうけ、珠江デルタ地域をはじめとする中国大陸における生産や流通の拠点としている。天然の深水港にめぐまれた自由港である香港は、世界第3の規模をほこるコンテナターミナルで、最大の積出港となっている。2004年の輸出額は2655億米ドル、輸入額は2729億米ドルに達している。 香港の空の玄関として年間2000万人以上が利用してきたカイタック(啓徳)国際空港は、1998年に閉鎖され、かわってランタオ島の北部沖合にチェクラプコク(赤◇角:◇は魚偏に巤)国際空港が開港した。面積はこれまでの約4倍、年間旅客対応能力は最終的に8700万人にふえる予定で、アジアのハブ空港(→空港の「ハブ空港」)になるものと期待されている。広東~九竜鉄道(1905年開通)のほか、ペキン(北京)~九竜鉄道も開通した。MTRとよばれる地下鉄は空港と中心市街をつなぐ線もふくめて5路線あり、2階建てバスの路線は網の目のようにはりめぐらされている。東部や西北部のニュータウンと市区部をむすぶ鉄道や、特別区の境界をこえて深圳とつながる新線の建設がすすめられている。 国際観光都市として知られる香港では、観光業が経済の中で大きな位置を占めている。2000年には世界各地から1300万人をこえる観光客がおとずれ、そのうち日本人は1割あまりだった。中国大陸からの観光客が近年急増しており、およそ3割を占めるにいたっている。観光客によるショッピング、宿泊、飲食は、観光収入のそれぞれ50%、30%、10%を占める。
「百万ドルの夜景」をたのしむことができる香港島随一の高山ビクトリアピーク、香港島でもっともきれいな海岸レパルス・ベイ、ランタオ島宝蓮寺の世界最大の野外仏、露店や小さな店がぎっしりならぶスタンリー・マーケット、1921年にたてられた黄大仙廟などの観光名所がある。 2005年9月にディズニーランドが開園した。ディズニーにとっては東京、パリにつぐ海外3カ所目のテーマパークであり、第1期としてランタオ島の126haの土地に、ディズニー・テーマパーク、ホテル、ショッピングセンター、レストランなどが建設された。 香港は「ショッピングとグルメの天国」といわれ、スーパーマーケットは600をこえ、中国雑貨から世界の有名なブランドまでそろっている。市街地には1万軒もの飲食店がひしめき、特色のあるヤムチャ(飲茶)や広東・北京料理などの中国料理のほかに、和・洋・東南アジア料理、ファーストフードにいたるまで、あらゆる食べ物があふれている。海鮮料理で有名なアバディーンの水上レストランなどは人気がある。 小学校6年間、中学校3年間の計9年間の教育は無償となっている。香港大学、香港中文大学などの大学のほか、教育学院や技術学院などがあり、60をこえる新聞社から中国語や英語の新聞が発売されている。
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