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真鍮(黄銅)などの金属でつくられる管楽器の総称で、当初は動物の角や木でつくられ、のちに金属製になったものもふくまれる。いわゆるラッパ類の名称として、木管楽器とともに古くからつかわれている名称で、ローマ(→ ローマ史)時代などにその源がみられる。聖書にも天使の吹きならすラッパの記述が多くあり、またヨーロッパの教会の壁画や絵画にもさまざまな形のラッパが描かれている。もっとも単純なラッパはほら貝や角笛など、円錐管状の貝や角の細い一端に穴をあけ、そこに唇をつけて唇の振動で音を出すものだった。そのため、金管楽器とよばれる楽器はすべて唇を振動させるリップ・リード楽器である。
自然界の貝や角から出発したラッパは、やがて金属の管をもちいるようになる。当初は管も直線の単純なものだったが、倍音が簡単に出せるように長さを長くするうちに、しだいにもちやすいように管をおりまげた形に変化していく。その過程で、唇があたる部分をより吹きやすく、滑らかにするためにマウスピース(吹口)が誕生した。初期のマウスピースは、象牙製であった。
14~15世紀ごろのラッパは管を二重におりまげたナチュラル・トランペットが主流で、大小さまざまな楽器があった。しかしC管(ハ調が基本の管)とこれを少し短くしたD管(ニ調が基本の管)の楽器が一般的で、さらに完全4度高いF管(ヘ調が基本の管)ももちいられるようになった。ナチュラル・トランペットは、唇のしめ具合によって、自然倍音列を吹くことができた。また、ナチュラル・トランペットは神や天使、騎士や王などの高い地位をしめす、高貴な楽器としてあつかわれた。
一方、角笛から発達した楽器がホルンである。ホルンは狩猟の合図の楽器としてもちいられ馬上で吹くことが多かったため、肩にかけたり身体にまいて吹けるように管を大きく巻いた大型の楽器がもちいられた。また、ホルン吹きは馬にのって狩人たちを獲物の方向に先導する必要から、ラッパの朝顔(ベル)部分が後方をむくようになっている。 14世紀ごろ、教会でより明確なメロディの吹ける金管楽器がもとめられるようになり、管を二重にしてスライドさせ、管の長さをかえることでメロディを演奏するトロンボーンが生まれた。トロンボーンは教会のミサの伴奏につかわれ、また木管アンサンブルの低音楽器としても大切な役割をはたした。 また、ナチュラル・トランペットよりも自由に音階が吹ける楽器として、木管を円錐形に加工して指穴をあけ、象牙のマウスピースをつけた、唇と指の両方で音程を調節するツインクが誕生する。この楽器は当初は木管楽器としてあつかわれ、コンソート(同種の楽器による合奏)楽器の一種とされた。16世紀にイタリアのベネツィアのサン・マルコ教会のためにジョバンニ・ガブリエリが数多く作曲したアンサンブル曲は、このツインクとトロンボーンの合奏曲で、オルガンに伴奏されることも多かった。ツインクとトロンボーンは教会音楽用の楽器として密接な関係となったが、ホルンは狩の楽器としてホルンだけのアンサンブルを形成するようになった。 17世紀末から18世紀初頭にかけて、小型のホルン(ナチュラル・ホルン)がつくられると木管楽器とのアンサンブルがはじまり、18世紀には、クラリネット、オーボエ、ファゴット、ホルン各2本による管楽アンサンブルがハルモニー・ムジークとして流行した。ナチュラル・トランペットは17世紀から18世紀半ばにかけて黄金時代をむかえ、多くのアンサンブル曲がつくられたほか独奏楽器としても活躍し、18世紀後半にはオーケストラでもつかわれるようになった。しかし、教会音楽のために誕生したトロンボーンは、宗教的背景が18世紀の王宮のサロン音楽になじまなかったため衰退し、モーツァルトやハイドンの作品ではほとんど使用されなかった。 トロンボーンの価値をみとめたのはベートーベンで、1808年初演の交響曲第5番「運命」にとりいれ、それ以来、しだいにオーケストラでもつかわれるようになった。18世紀には低音の金管楽器としてツインクを大きくしたセルパンがつかわれた。また、ナチュラル・トランペットにスライドをつけて調をかえやすくしたものや、小型のラッパの本体に、現在のサクソフォーンについているようなキーをつけて音階を吹けるようにしたキー・ビューグルなどもあらわれた。ハイドンが1796年に作曲した「トランペット協奏曲」は、このキー・ビューグルのためにつくられた曲である。
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