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項目構成
このように金管楽器はさまざまな背景のもとに発達してきたが、18世紀末におこった産業革命で金属加工が容易になったため、19世紀には機構的に大きく変化する。もっとも重要な変化はバルブとピストンの発明で、これによって、すべての金管楽器が半音階を自由に演奏できるようになった。 バルブはまずツインクにつけられ、現代のコルネットが誕生した。しかし、伝統を重んじるオーケストラのナチュラル・トランペットやホルンの奏者はバルブをつけたがらなかったため、現代的なトランペットやホルンが普及するまでにはかなりの時間を要した。 また、サクソフォーンをつくったベルギーの楽器製作者アドルフ・サックスは、1842年から45年の間に太い円錐管とバルブをもつ金管楽器群、サクソルン属を完成させた。この楽器群は比較的円錐の度合が大きいビューグルを基準に、Eb管とBb管を交互に大きくしたもので、次のような種類がある。 ソプラノ・フリューゲル・ホーン Eb(実音より短3度高い)、フリューゲル・ホーン Bb(実音より長2度低い)、アルト Eb(実音より長6度低い)、バリトン Bb(実音より長9度低い)、ユーフォニアム(小バス) Bb(実音より長9度低い)、中バス Eb(実音より1オクターブと長6度低い)、大バス BBb(実音より2オクターブと長2度低い)。アルト以下の楽器は胸にかかえて吹く形式で、バリトンとユーフォニアムは管の長さは同じだが、ユーフォニアムのほうが管が太く豊かな音が出る。 イギリスではこれらサクソルン属の楽器を主体に、トロンボーンと打楽器をくわえた金管アンサンブル(ブラス・バンド)が19世紀後半に炭坑など職場バンドとして普及し、現在でも多くのバンドが活動している。このほか19世紀初めに前述のセルパンを金管にした低音楽器オフィクレイドがつくられ、軍楽隊などで幅広く使用されたが、現在は消滅した。
ナチュラル・トランペットを短くしてバルブをつけた現代のトランペットは、1830年ごろにつくられたが、オーケストラでの普及はおくれた。しかしベルリオーズは1840年に作曲した曲の中で古いナチュラル・トランペットとピストンのついたコルネットの両方を使用。チャイコフスキーも「白鳥の湖」にやはり両方使用し、しだいにバルブのついた楽器の便利さがみとめられ、20世紀にはほとんどのオーケストラでモダンなトランペットがつかわれるようになった。アメリカの初期のジャズでコルネットがもちいられたのも、同じ理由による。 現在のトランペットは円筒管の部分の長い円錐管で、管長は約160cm、音色は明るくするどい。楽器には一般的な変ロ調の管(B管)のほか、高音用のピッコロ・トランペットやC管、D管、Eb管などがある。ドイツやオーストリアでは低音のバス・トランペットもつかわれるが一般的ではない。
現在はロータリーバルブ付きのホルンが広くつかわれ、調はF管が一般的である。それより完全4度高いBb管もつかわれるほか、F管とBb管の2つの機能をあわせもったダブル・ホルンも普及している。管が約3m73cmと長く、またベルも大きいため、音色はおちついてやわらかい。倍音が出やすく音がはずれやすいため、トランペットより吹奏はむずかしい。オーケストラや吹奏楽では4本を一組としてつかわれ、和音を担当する重要な楽器である。
トロンボーンという名称は、トランペットのイタリア語であるトロンバ(Tromba)に拡大をあらわすオーネ(one)がついたもので、「大きなトランペット」の意味がある。イタリアではバルブのついたトロンボーンがつかわれるが、現在一般的にトロンボーンといった場合はスライド・トロンボーンをさす。ベートーベン以後、オーケストラ楽器として定着している。 基本となるテノール・トロンボーンはBb管だが、低音部譜表での記譜上はC管としてあつかわれる。また、Fアタッチメントという管をつけて、完全4度低く音域をかえられる楽器などいくつかのシステムがあり、管の太さも多少ことなる。そのほか、ソプラノ、アルト、テノール・バス、バスなどの種類がある。この楽器もトランペット同様円筒管の部分が長い円錐管で、シャープな響きも出せるが、最近は深いマウスピースを使用した厚味のある豊かな響きもこのまれている。
チューバはドイツ語で「管」という意味で、サクソルン属のバスとは別に、1834年にドイツでオフィクレイドをもとにしてつくられたときにつけられた名称である。楽器そのものはサクソルン属のバスとドイツのチューバでは形が少しことなり、チューバのベルのほうがやや丸みに欠けていたが、現在はあまり区別がつかなくなっている。ベルリオーズやワーグナーによってオーケストラでもつかわれるようになった。Bb管、C管、F管、Eb管などがある。
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