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微小な物体または物体の微細な部分の拡大像を観察するために使用する装置で、いくつかの種類がある。
ひろく利用されている顕微鏡は、可視光線で物体の拡大像をつくる光学顕微鏡で、ふつうに顕微鏡といえば、光学顕微鏡をさす。 ものを拡大して見る道具でもっとも単純なのは、焦点距離(→ 焦点)の短い両凸レンズ(→ 凸レンズ)である。両凸レンズでは物体を15倍まで拡大することができる。しかし、顕微鏡は複数のレンズを使用するのがふつうである。複数のレンズを使用する複式顕微鏡では、1枚だけのレンズよりも大きな倍率がえられる。光学顕微鏡の中には、物体を2000倍以上に拡大できるものもある。
光学顕微鏡の基本は、対物レンズと接眼レンズの2種類のレンズをとりつけた筒である。対物レンズはいくつもの単レンズがくみあわされ、試料となる物体の実像をつくる。光学顕微鏡のレンズは、対物レンズによってつくられる実像が接眼レンズの焦点に位置するように設定する。観察者には対物レンズをとおして、実像の拡大された虚像が見える。顕微鏡の全体の倍率は、2つのレンズ系の焦点距離によってきまる。
最初の光学顕微鏡は、1590年ごろに、オランダの眼鏡師ヤンセン父子によって、偶然に発見されたとつたえられている。17世紀の生物学が発展した背景には、ミクロの観察がある。とくに、フックの法則で知られるロバート・フックは、自作の顕微鏡でさまざまな生物を観察し、「顕微鏡図誌」を出版した。しかし、この時代のレンズは、収差(→光学の「収差」)が大きく、単レンズの拡大鏡のほうが正確な像をえられたといわれる。 18世紀になり、数学者オイラーやイギリスの光学者J.ドロントらの研究で改善され、18世紀末から19世紀初めにかけては、理論にもとづいた精密なレンズ設計がおこなわれるようになった。19世紀半ばにはドイツのE.アッベに指導され、ツァイスの工場で高性能な製品が生産され、細菌学を発展させる原動力となった。
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