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おもに単細胞生物からなる生物群で、アメーバやミドリムシなどがふくまれる。生物の5界分類(→ 界)のひとつで、多細胞の動物や植物と同様、遺伝子であるDNA(デオキシリボ核酸)が核膜によって細胞質から分離されている(→ 細胞)。
原生生物という分類を最初に提唱したのは、ドイツの生物学者ヘッケルだった。彼は生物分類をおこなう際、単細胞生物の中には動物か植物かにはっきりとわけることのできないものがあり、これらを多細胞生物と同様に分類することは困難と判断。単細胞生物を多細胞生物と区別してProtistaというグループにいれた。 やがて、単細胞生物の中にも、細菌や藍藻のように、核膜のない原核細胞からなる生物が発見されると、これらはモネラ界として別のグループにわけられ、「単細胞の真核生物」がProtistaすなわち原生生物とよばれるようになった。 しかし、その後、生物の中にはライフサイクル(生活環)において単細胞と多細胞の両方の時期をあわせもつものがいることがわかり、単細胞であるかどうかを分類の基準とすることを疑問視する学者があらわれた。そして、単細胞か多細胞かでわけず、ほかの特徴において共通点の多い生物をまとめていくべきだという考えから、新たにProtoctistaという生物群が提唱された。 このProtoctistaには、「胚(→ 発生学)をつくる動植物と、ライフサイクルにおいて鞭毛細胞の時期をもたない菌類をのぞく、残りのすべての真核生物」がふくまれ、単細胞生物のみならず、海藻のような大型の多細胞生物もふくまれることになった。
核膜によって核が細胞質から分離されていることのほかに、特化した細胞構造であるミトコンドリア、葉緑体、鞭毛などの細胞小器官(オルガネラ)をもつことも真核細胞の特徴である。これらの点で真核細胞は、モネラ界を構成する原核生物である細菌や藍藻の原始的な原核細胞から大きく進化したものといえる。原核細胞は膜でかこまれた核をもたず、細胞小器官がない。 真核細胞は、原核細胞と共生することによって進化したという説がとなえられてきた。この説によれば、ミトコンドリアは、ほかの細胞にとりこまれた細菌から派生したものとされる。同じように葉緑体も、藍藻に似た原核生物から派生したものと考えられる。真核細胞はさまざまな組み合わせの共生によって何度も進化して、最終的に原生生物界を構成する多様な生物となったのかもしれない。
このように、原生生物は多くの進化の道筋にわたっているため、その範囲を定義することが困難だった。実際、現在では、動植物などの多細胞生物は、祖先の原生生物から進化を何度もくりかえして生まれてきたものと考えられている。→ 分類 したがって原生生物は中間の生物界といえる。この境界をせまく定義するとProtistaのように単細胞性真核生物とそれらの単純な群体のみとなるが、Protoctistaのように広く定義すると海藻などもふくみ、多細胞だが動植物や菌類のような複雑な組織をもたない生物から構成されることになる。 このように、原生生物界の境界ははっきり確立したものではない。多くのグループは、栄養摂取方式に関してはかけはなれている。光合成ができるという意味で植物に似ているものもあれば、動物のように餌(えさ)を摂取するものや、菌類と同じ方法で栄養を吸収するものもある。このような多様性のため、典型的な原生生物の例をあげることはむずかしい。 しかしもっとも代表的なのは鞭毛虫だろう。鞭毛虫は1本あるいは複数の鞭毛をもつ単細胞生物で、葉緑体をもつものもある。
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