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  • アルプス山脈 - Wikipedia

    アルプス山脈 (アルプスさんみゃく、仏:Alpes, 伊:Alpi, 独:Alpen, 英:Alps)は、 アルプス・ヒマラヤ造山帯 に属し、 ヨーロッパ 中央部を東西に横切る『 山脈 』である。 オーストリア を東端とし、 スロベニア 、 イタリア 、 スイス 、 リヒテンシュタイン ...

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アルプス

アルプス Alps
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

ヨーロッパ中南部に大きな弧をえがいてつらなる大山脈。西はジェノバ湾から東はウィーン近くのドナウ川にまでおよび、全長約1200km。総面積は約24万km²。ヨーロッパでもっとも標高が高く、人口も多い山岳地帯で、約2000万人がくらしている。アルプスの河谷部には定住者がいるが、牧草地のひろがるさらに高い高原には夏だけ人がすむ。樹木限界線より上の一帯は、放牧地やレクリエーション用となっている。アルプスでのおもな経済活動として、観光や酪農のほか、林業、水力発電、塩の採取、鉄鉱石の採掘があげられる。中央ヨーロッパと南ヨーロッパとをむすぶ重要な峠道が各所にあるため、交易面でも古くから重視されてきた。観光地ではフランスのシャモニーモンブラン、スイスのツェルマット、イタリアのコルティナダンペッツォなどがよく知られている。

II

地質学的構造

アルプスは複合褶曲(しゅうきょく)山地である。アルプス一帯はかつてはテチス海の海底だったが、三畳紀~ジュラ紀に石灰岩やドロマイトを主とする沈殿物があつく堆積(たいせき)した。その後、アフリカ大陸とユーラシア大陸のプレートが衝突して生じた巨大な圧力によって、これらの堆積層は北へ強くおしだされた。その過程で堆積層は基盤岩石から切りはなされ、複合褶曲したのである。プレートテクトニクス

約250万年前にはじまる第四紀の4度にわたる氷河による浸食は、アルプスの地形形成にとってひじょうに重要であった。巨大な氷の塊が谷を移動しながら深い谷間とけわしい岩壁をつくり、分水嶺をこえてあふれだした氷は峠をかたちづくった。氷河作用による堆積物であるモレーンが川の流れをせきとめたため、たくさんの湖が生まれた。レマン湖ボーデン湖はその代表である。

III

アルプス山系

アルプスは、北スイスのライン渓谷からシュプリューゲン峠をへて北イタリアのコモ湖にのびる線によって、構造のうえで西アルプスと東アルプスにわけられる。西アルプスは東アルプスよりも平均して約1000m高く、幅はよりせまく、起伏もはげしい。アルプス山脈の最高峰であるモンブラン山(4810m)は、フランスとイタリアの国境上にある。おもな山脈として、フランス、イタリア領内のマリティーム・アルプス、アペニノ・リグレ山脈、コティエンヌ・アルプス、グレイエ・アルプスと、スイス領内のベルナー・アルペン、グラルナー・アルプス、ペンニネ・アルプスがあげられる。ジュラ山脈はアルプスの西方のフランスとスイスの国境にある。

アルプス山脈はレマン湖付近から北東にむかい、いくつかの山脈に分岐して幅をひろげ、弧の中央ではその幅は250kmにもおよぶ。東アルプスは分岐したのち、ウィーン近郊のウィーン盆地へ急降下しておわっている。東アルプスでよく知られている山脈は、北部のバイエリッシェ・アルペン、アルゴイ・アルプス、ホーエ・タウエルン山脈、ニーデレ・タウエルン山脈と、南部のドロミティアルプス、カルニケ・アルプスである。

標高3000m以上の山頂一帯は氷河におおわれ、のこぎりの歯のように切りたった峰やナイフの刃のような尾根が氷の上にそびえたつ。氷におおわれている部分は、アルプスの総面積の約2%を占める。もっとも長い谷氷河は、ベルナー・アルペンにある全長18kmのアレッチュ氷河である。

ローヌ川、フォルダーライン川、イン川、ザルツァハ川、ムール川、ドラバ川が流れくだる広くて深い谷が、アルプスをいくつかの構造上の単位にわけている。おもな集落や幹線道路はこのような谷筋にあり、そこから枝わかれした深い谷は峠へと通じている。モンスニ峠、グランサンベルナール峠、シンプロン峠、ザンクトゴットハルト峠のような標高2000mをこす峠は、冬季は雪にとざされる。1370mのブレンナー峠と1508mのレジア峠は、もっとも容易なアルプス越えの道である。技術のめざましい発展によって、高い峠にも幹線道路やシンプロン・トンネルやザンクトゴットハルト・トンネルなど鉄道トンネルがつくられ、アルプスという交通の障害は少しずつ克服されてきている。

IV

自然環境

アルプスの谷間をふきおろす風として、異常な高温をもたらすフェーンがよく知られているが、その風上側には大量の雨がふる。年降水量が約3000mmに達する所もある。豊富な降水は森林をうるおし、ライン川、ローヌ川、ポー川、ドナウ川の支流であるイン川、ドラバ川といった西ヨーロッパの大河にながれこんでいる。

標高が高く、海洋性の気候や太陽の光線にさらされることが、アルプスの植生に大きな変化をおよぼしている。温暖なふもとの丘陵地帯には、カシ、シデ、マツの木が生いしげり、北イタリアの湖水地方にひらけた谷には亜熱帯性の植生がみられる。そこから少しのぼるとブナ林があらわれ、標高が高くなるにつれてモミ、トウヒの林にかわる。ヤマカエデ、トウヒ、カラマツの林は樹木限界線までひろがっている。標高1800mをこすと樹木は姿をけし、万年雪の境界まではツンドラと高山植物の世界となり、シャクナゲ、エーデルワイス、スゲ、ナナカマド、ハイマツがみられる。植物のそだつ短い夏の3、4カ月間、この地帯はきわめて色鮮やかになる。

雪線より下の人里はなれた高地には、アイベックス、アルプスカモシカ、ウッドチャック、ライチョウ、ヤマネ、コクマルガラスなどの動物が生息している。

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