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食料、繊維原料の採取、使役、販売のために動物を繁殖、飼育、管理すること。現代の方法では1種類の動物のみに限定し、大規模でかつ効率的な方法で生産されている。集約的な畜産の条件としては、狭い区画での多数飼育、栄養価の高い飼料などの方法によって、成長の促進、病害に対するワクチン接種などがおこなわれる。しかし、世界のほとんどの家畜は小さな飼育単位であり、非効率的な条件で低い収益率しかもたらしていない。
伝統的な畜産は、動物の飼育にどれだけ管理が必要か、また動物をどのようにもちいるかに密接に関連している。ほとんどの家畜は複合した利用法が可能で、たとえば、おもに使役につかわれる動物からも乳や肉、また衣服の材料などがえられる。動物をどのようにつかうかは、飼育する人間の文化や経験にも密接な関連をもっている。 世界のある地域では、人々は牛を食用とは考えていない。これらの地域では、牛が生みだす使役、肥料、牛乳、糞(ふん)からの燃料は、肉にしてしまうより効率的だとする研究もある。ほかの地域の文化慣習と比較すると、その地域の状況にあわせて動物を利用することは、予想以上に効率的であることが明らかになる。→ 農業 気候などの環境の影響も、動物の家畜化やその利用方法について、重要な役割をはたしている。スイギュウは南アジアで牽引用役畜(けんいんようえきちく)としてつかわれており、その地域の高温多湿な気候に適している。一方、ウマは穏やかな気候で多くみられ、トラクターにとってかわられるまで、温帯で牽引用役畜としてつかわれていた。アメリカ南部に、高温で湿潤な気候に順応しているインド原産の牛が広がっているのも、ヨーロッパの牛より地域の気候によく適合するためである。
おもに使役・運搬用として、あるいはまた余暇用につかわれる家畜動物の範囲は広い。ウマ、ラバ、ロバ、牛、スイギュウ、ラクダ、リャマ、アルパカ、ヤク、トナカイ、犬などがある。 現代のウマは、ターパン、モウコノウマ(プシバルスキーウマ)、シンリンターパンの3つの亜種のうちのひとつ、または交配種から生まれたものと考えられている。 現在でもウマは、世界の多くの国で牽引用役畜としてつかわれているほかに、別の動物の管理や、荷役用、レジャーやスポーツのための乗馬にもつかわれている。世界のウマのおよそ半分が南北アメリカに、残りの半分がアジアとヨーロッパにいる。ラバは、アフリカ、北および中央アメリカ、南アメリカにちょうど3分の1ずつ。ロバのうち、ほぼ半分がアジアに、4分の1がアフリカにいる。 ラクダやリャマ、アルパカは荷運用の動物としてつかわれている。ラクダの4分の3ほどがアフリカに、残りはアジアにいる。リャマとアルパカがいるのは、ほとんどが南アメリカの狭い地域にかぎられている。ほとんどのスイギュウはアジアにだけおり、おもに牽引用役畜としてつかわれるが、乳や肉の生産にも利用できる。牛も、アジアやヨーロッパ南東部のいくつかの地域では、重要な牽引用役畜である。犬はアラスカやシベリアでは荷運用の動物としてつかわれるほか、ヒツジなどの動物の群れを統制するためにつかわれている。
ヒツジは羊毛や食肉(マトンやラム)用として利用され、わずかに乳も利用される。ヒツジは、現在のイラク北部で約1万1000年前に家畜化されたと考えられる。現在、ヒツジは世界じゅうに分布している。商業的なヒツジの飼養は、広大な土地で1000頭以上のヒツジが適当な単位に分割されておこなわれている。また、多くの小さな農家では副業として、ヒツジの飼養がおこなわれている。半乾地性の地域や、急勾配(きゅうこうばい)で起伏がはげしく、耕作にむかない土地にうまく適応している。 ヤギははじめヒツジと同じ地域、同じ利用目的で家畜化されたが、それはヒツジより新しく、9000年前ごろのことである。数はヒツジの5分の2であり、ヒツジとよく似た分布をしている。
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