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項目構成
畑地における純用水量は、土面からの蒸発量と植物からの蒸散量の和から有効雨量と土湿貯留量をさしひいてもとめられる。有効雨量は、降雨量から、流去による損失量と根群域以下への浸透損失量をさしひいた値である。また、土湿貯留量は土壌の種類によってかわり、砂質土壌はこれが小さい。 畑地の用水量は、作物や土壌の種類、気象条件、さらに灌漑の方法によって大きくことなる。
一方、水田における純用水量は、田面蒸発量と蒸散量および浸透量の和から有効雨量をさしひいてもとめられる。浸透量は鉛直方向と畦畔(けいはん)からの横方向との合計である。また、有効雨量には3mm以下、80mm以上の雨量はくわえない。 水田における稲作期間中の用水量は、おおよそ1ha当たり1000万リットル(あるいは1m²当たり1000リットル)で、灌漑水の中には窒素、リン酸、カリウムなどの養分がふくまれている。水田において無肥料栽培をつづけても畑の場合より高い収量を維持できるのは、灌漑水からの天然養分の供給によるところが大きい。
連続して灌漑をおこなうことによって生じる最大の問題点は塩害である。土壌の上層に塩分が蓄積し、植物の生育を阻害または抑制する。ほとんどすべての灌漑水には、源泉の種類を問わず、ある程度の塩分がふくまれるが、土壌中にも、もともとミネラル分として塩分がある。水をまきつづけることでそれらの塩分がしだいに地表のほうへとけだし、地表の塩分濃度は高くなる。水はけがわるい所では、塩分が蓄積されるために植物の生育が不可能である。 そこで、水によって土壌の表面から塩分を排出させる水はけのよいシステムは、灌漑システムを成功させるために必要なものと考えられている。 前2100年には、土壌の水はけがわるいことが原因で塩分が増加し、メソポタミアのティグリス・ユーフラテス渓谷南部の豊かな土地が荒廃しはじめた。前1700年までに、この土地の収穫はかつて豊かだった当時の収穫量の4分の1にまで減少し、その収穫に依存していたシュメール人の巨大な都市国家は没落しはじめた。 1960年代にアスワン・ハイ・ダムが完成して以来、エジプト政府は、さらに多額の資金を投入して、ナイル渓谷原野に塩分が蓄積しないようにする必要があった。過去、数千年もの間、毎年洪水がおこり、ナイルの水が土地から塩分をとりのぞいてきたのだが、現在では、その洪水の作用を人工的な排水システムでおこなう必要がある。
1950年からの25年の間に、世界の灌漑地域は毎年3%ずつ広がっていったが、この比率はその後減少した。というのも、大規模灌漑がおこなえる場所のうち、経済的に実現可能な土地のほとんどが、すでに利用されているからである。また、かぎられた水資源に対する需要が増大するにつれて、利用可能な地表と地下水源を効率的に利用することがますます重要になっている。 灌漑は、過去にはただ、農民が土地に水をひくことであったが、現在では高度に技術的になっており、全般的な水資源、土壌の質、土壌の下にある地下水の状態について、膨大な情報をあつめることが必要となっている。これは、個人の農家にできる範囲をこえている。すでに灌漑がおこなわれている土地を保全する技術を発展させる方向で、現在、研究がすすめられている。→ 農業:土壌管理:水
日本は、アジアモンスーン(→ モンスーン)地帯に属し、降水量は平均1600~1700mmと一般に多いが、不均一で、ある時期にはどっと雨がふって水害をまねき、ある時期には何日もふらずに畑作物は干ばつにみまわれることもある。夏期の蒸発散量の多い時期に10日以上も無降雨日がつづけば、畑作物の収量はいちじるしく低下することになる。
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