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海洋生物

海洋生物 かいようせいぶつ Marine Life
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

海岸の満潮線から(海辺の生物)、深海にいたるまでにみられる動物と植物の総称。これらの生物は3つのグループにわけられる。ベントス(底生動物)は、海底に生息するか、あるいは海底に依存して生きる生物群で、ケルプ(大型海藻類)などの植物や、クモヒトデなどの動物をさす。ネクトン(遊泳生物)は、魚やクジラのような泳ぐ動物で、水流とは無関係に移動することができる。プランクトン(浮遊生物)は、さまざまな小型または微小な生物群で、海水中に浮遊し、水流にはこばれて移動する。

II

生息する範囲

底生の動植物は、他の空間とはっきり区別される海底の生息場所にすむ。海岸から大陸棚までの浅海の生息場所には、軟体動物多毛類、そして底質に付着する藻類カイメンがすむ。大陸斜面とその向こうは海底帯である。海底帯には海底のもっとも深い部分もふくまれる。ここには、ウミグモウミユリのように、有機物のくずを食べたり、泥をこしとったりする動物がわずかに生息している。

遊泳する魚その他の動物は、大陸棚の上の、比較的浅くて光のじゅうぶんにあたる浅海水層に豊富にみられる。この部分で、ほとんどの漁業がおこなわれる。大陸斜面(海底地形)ではじまるもっと下の、暗い海水層にはダイオウイカ(イカ)がみられることがある。この海水層の下は深海水層で、冷たい暗黒の海水中にはチョウチンアンコウハダカイワシなどのような生物発光する魚がすむ。

プランクトンは海洋の主要な生物で、他の生物の食物源となる。海面近くで光合成をおこなう植物プランクトンは動物プランクトンの食物となり、次に動物プランクトンがこれを食べる魚の生活をささえている。深海水層と深海底にすむ生物は、上層からおりてくる有機物を食物源にして生きる。

III

環境の要因

海洋生物はどこでも一様に豊富なわけではない。多くの外洋、とくに熱帯の海の表層には、生物が少ない。表層の海水の割合が深海の割合より小さく、また季節的な富栄養化がないためである。もっとも生物生産量が高いのは沿岸水域、つまり潮昇流(後述)のある水域と、北極と南極の海である。

南極大陸を不毛にしている極端な寒さは、南極海(南氷洋)の膨大な生産量に影響をあたえている。冷たい海水は水分だけが先に凍結し塩分がふえて密度が高くなり、海底にしずんで、大陸棚から北向きに移動する。表層の海水も同様である。北向きに移動する海水にかわって、深層の海水が南向きに表層と海底層の間をながれてくる。この栄養塩にとんだ水が潮昇流にのって表層に上昇してきて、珪藻渦鞭毛植物といった植物プランクトンの増殖を促進する。植物プランクトンは、動物プランクトンやその他の動物に食べられる。こうした動物には、膨大な数の小エビに似たオキアミもふくまれ、オキアミは次に多くの種類の魚やクジラの食物となる。

この栄養豊富な南極の海水は海岸からひきはなされて、南極環流の一部になる。南極環流は西風漂流ともよばれる。地球上でもっとも強いこの海流の一部は南アメリカの南端で進路をかえ、ペルーの海岸沖でペルー海流となる。表層の海水が風により移動すると、栄養の豊富な深層の海水がそれにかわる。大陸棚がないこともこれをたすける。これは重要な潮昇流域で、大量の生物が生息する。ここでは南極のオキアミにかわって、橈脚類(かいあしるい)とアミがみられる。これらの甲殻類を食べるのは無数の群れをなす小型魚で、これらの魚が次に海鳥に食べられる。海鳥は、ここではクジラにかわって、食物連鎖の頂点にたつのである。

IV

熱水の噴出

1970年代の終わりに太平洋の暗黒の海底を調査した海洋学者たちは、バクテリアによる化学合成をエネルギー源とする生態系を発見した。このような、海洋のオアシスともいうべきものは、ガラパゴス海嶺である。北緯21度の東太平洋海膨の上にも1つある。これらの生態系は中央海嶺系にともなってみられる。ここでは地殻のうすいプレートが広がっていて、熱水噴出孔をつくりだしている。海水がそこにしみこむと、鉱物質と硫化水素で飽和され、高温に熱せられる。その後黒い間欠泉(ブラックスモーカー)として裂け目からふきだし、急激に冷却されて20°Cをこえるほどになる。

あたたかく、肥沃(ひよく)な環境の海洋底には、硫化水素をエネルギー源に利用する一群のバクテリアが増殖する。バクテリアを食べて生きるのは、シャコガイや大きなものでは長さ3mをこえるチューブワームをはじめとする、食物をこしとって食べるタイプの多数の動物である。以前は知られていなかった種もある。こうしたオアシスの生態学的生産力は、その上の表層の海水の4倍もある。海洋学者は、熱水噴出孔とオアシスを大西洋中央海嶺の側面にも発見しており、これらがあらゆる海洋の中央海嶺系に存在するのではないかと考えている。海洋生態学プレートテクトニクス

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