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発生

発生 はっせい Development
百科事典項目
マルチメディア
頂端分裂組織頂端分裂組織
項目構成
I

プロローグ

受精したや胞子が成体になる経過をいう。発生という言葉はまた、動物の四肢の再生や高等植物にみられる栄養生殖などの過程にもつかわれ、胚(はい)発生学より範囲がひろい。胚とは、多細胞生物個体発生の初期段階をさす(発生学)。

発生の過程とエージングとの関係にも生物学的な関心がよせられている。有性生殖には単細胞期を必要とする(細胞)。多細胞による大型化が適応に有利であるなら、ライフサイクル(生活環)にはかならず単細胞から成体への発生期間がふくまれなければならない。発生は、成長(大きさの増加)、形態形成運動(形と形態の形成)および分化(無構造からそれぞれに特殊化した構造への変化)の3つの過程からなる。

II

成長

新しい細胞質の合成は、成長をもたらす。合成が生じたことは、成体が受精卵より大きいことで明らかである。多細胞生物の場合、細胞の大きさにはきびしい制限がある。そのため細胞質の増加には連続細胞分裂がともなう。細菌や同じような単細胞生物では、細胞分裂は生殖手段であり、2個の娘(じょう)細胞が新しい生活をはじめる。多細胞生物では、分裂した細胞はさまざまな方法で集合や組み合わせの状態にとどまる。

脊椎動物などの動物では、最初に卵細胞が分割(卵割)し、ついでそれらの細胞は細胞質の合成と細胞分裂の繰り返しにより増殖し、全身の組織の構成細胞を形成する。同じことが植物にもあてはまるが、ひとつ重要な違いがある。それは、植物細胞はかたい壁にかこまれていることである。そのため、成長の結果つくられる構造は、幹、枝、葉などのように堅固である。この堅さのため、植物での成長は、さまざまな植物部分を形成しつづける分裂組織とよばれる、特定のやわらかい部分に限定される。このような増殖組織は芽の先端、(茎の)節、茎や根の特定の形成層にある。

III

形態形成

形態をつくっていく細胞運動は成長とともに、また成長なしにおこる。形態形成とは、細胞が同時に運動し成長する場合の過程のことである。形態形成運動は多細胞動物ではかならずおこるが、かたい細胞壁をもつ植物には一般にこの運動はない。脊椎動物の発生では、最初の重要な形態形成運動は原腸形成である。これはいくつかの方法で生じる細胞運動であるが、つねに1つの細胞から形成されてきた2つの細胞層をもつ胚となる。連続形態形成運動は数多くあり、たとえば四肢の芽(原基)を形成するための細胞の集合、あるいは原基細胞の性腺(精巣と卵巣)の部域への移動などがある。

IV

分化

成長と形態形成運動の間あるいはその後に、細胞は化学構成や構造の点で互いに差異が生じてくる。たとえば植物では、一部の細胞は主要な茎の師部なり木部となる。この細胞分化は組織たとえば筋肉とか神経を形成するための細胞群でおこる。これは、次に心臓や脳などの器官を形成する。あるきまった回数の細胞分裂のあとで生じると思われる分化もある。

たとえば、血液細胞あるいは生殖細胞などの場合である。ほかの場合では、分化は細胞分裂とは独立してすすむ。赤血球細胞や神経細胞などの多くの分化した細胞は、細胞分裂の力をうしなう。また、そのまま分化をつづけることができるだけでなく、分化の逆行をおこなう、つまり前の細胞型に逆戻りのできる細胞もある。たとえば、肝臓細胞や筋肉細胞が再生する場合がそうである。

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