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古代ローマや初期キリスト教時代の建築形式。平面図は円形や十字形でなく、ふつう長方形で構成される。また、その形式にしたがってつくられた建造物も意味し、のちの時代になると、ローマのサン・ピエトロ・バシリカのように、教皇によってえらばれた教会の栄誉称号としてもちいられるようになった。
ローマのバシリカは法廷や取引市場などの公共建築に使用された。側面か正面にあるポルティコとよばれる玄関から屋根つきの広間にはいると、幅のひろい中央廊(身廊)があり、それは列柱によって2つの側廊としきられている。側廊の屋根よりも高い身廊部には、採光用の高窓があった。身廊の奥にはふつうベーマとよばれる高い壇があり、その上に祭壇がおかれる。突き当たりにあるベーマの背後には、高官たちの座がある半円形か多角形の区域アプスがある。 この基本形式にはさまざまな変型があった。たとえばトラヤヌス(あるいはウルピアヌス)のバシリカ(98~112)では、1つの身廊に4つの側廊がつき、身廊の両端に回廊と半円形アプスがあった。また回廊のないバシリカや、ほとんど正方形に近いものもあった。多くはたる木による張り屋根だが、コンスタンティヌス(あるいはマクセンティウス)のバシリカ(310~313)のように石造の曲面天井によるものもあった。
キリスト教がローマ皇帝の支持をえた4世紀には、ローマのサンタ・マリア・マジョーレをはじめとするローマ帝国内の教会は、通常聖人の墓の上にバシリカ形式で建設されるようになった。有名なローマのサン・クレメンテ(4世紀の基礎をつかって11世紀に完成)や、16世紀に破壊されたサン・ピエトロ旧聖堂(330)などの多くの教会建築では、ローマの邸宅のように、柱廊のついたアトリウム(前庭)をとおって身廊にはいるようになっていた。 教会は基本的に中央の身廊と側廊とに分割された長方形の空間からなり、ときには回廊もつく。正面のナルテックスとよばれる張り出し玄関をとおって中にはいるが、悔悟者や堅信礼をまだうけていない者ははいることができなかった。 教会の奥の円蓋(がい)がかけられた高壇はアプスとよばれる聖域である。中心には天蓋付きの祭壇がおかれ、背後には会衆にむかって司教の座、両脇には司祭と助祭の座があった。格子状の仕切りでかこまれた聖歌隊のための内陣という区域は、通常は身廊と高壇の間にある。大規模なバシリカには、内陣の側面に特別な聖職者たちの場所としてのトランセプトとよばれる交差廊があった。
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