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銅との合金である青銅として、仏像などの形でもっとも古くから使用されている金属元素。スズ製品は前15世紀前後の古代エジプト人の墓から発見されており、ローマ時代には、イギリスのコーンウォールからヨーロッパ大陸に大量に輸出された。古代エジプト人は、スズと鉛を同じ金属のちがう形態のものと考えていた。
100°Cで展延性(→ 延性)にとむ。強酸に弱い。ふつうは銀白色の金属であるが、13°Cを変態点として、それ以下の温度で灰色スズとよばれる同素体に変化することが多い。灰色スズは、灰色がかった無定形粉末である。安定同位体は10種が存在する。1994年、ヨーロッパ6カ国の共同研究により、陽子と中性子を同数(50個ずつ)もつ同位体スズ100が発見された。 原石はスズ石SnO2で、イギリスのコーンウォール、ドイツ、マレー半島、ボリビア、ブラジル、オーストラリアに豊富に産出する。スズを抽出するには、まず鉱石を粉砕し、あらって夾雑(きょうざつ)物をとりのぞき、焙焼することで鉄、銅の硫化物を酸化する。もう一度あらったあと、反射炉内で炭素をつかって鉱石を還元し、底部にたまった溶融スズをとりだし、ブロックスズというかたちにする。このかたちのスズを低温で再溶融すると、不純物が不溶性の塊となる。電気分解による精製法もある。
一般的には、スズ箔、青銅(スズと銅)、はんだ(スズと鉛)、活字金属(スズ、鉛、アンチモン)などの合金としてもちいられ、航空宇宙産業ではチタンとの合金としてもちいられる。スズ、鉛、亜鉛、アンチモン、カドミウムなどからなる低融点の合金はホワイトメタルとよばれ、スズを主体としたものは振動や衝撃に強く、自動車用軸受につかわれる。めっきとしての用途もひろく、食器や缶詰につかわれる。鉄板にスズめっきをしたものはブリキとよばれる。 酸化物は触媒として、有機スズはプラスチックに安定化剤として添加されるほか、殺菌作用があるため、魚網の防汚剤や、フジツボなどの付着防止用の船体塗料につかわれる。しかし、魚から有機スズ系塗料が検出され、人体への害を懸念して通産省と厚生省は1990年(平成2)に一部有機スズ化合物の使用を禁止した。 元素記号Sn。原子番号50。原子量118.710。融点232°C。沸点約2623°C。密度7.265g/cm³(20°C)。周期表(→ 周期律)14族に属する。地殻中の存在量2.1ppm。
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