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日本でいう綴織(つづれおり)に相当する織物。タピスリーはフランス語の呼称。英語ではタペストリー。歴史的には、図柄があらわされている手織の布で、おもに壁掛け、カーテン、家具の上張りなどにつかわれたものをいう。タピスリーという言葉は、図柄入りの織物のすべてをさすこともある。しかし、18世紀以降は技法上の定義がせまくなり、両面仕立てで文様や絵があらわされた厚手の手織物だけがタピスリーとよばれるようになった。
タピスリーは、織幅いっぱいに緯糸(よこいと)をとおさないという点で、ほかの織物とことなる。タピスリーの組織は、緯糸の本数が経糸(たていと)よりも多く、経糸は織りあがった状態では表からみえない。 ふつうの平織物と同じように、緯糸は経糸の上下に交互にとおされる。経糸の間隔がせまいほど織り上がりは緻密になる。14世紀のヨーロッパのタピスリーは、1cmにつき約5本の経糸で織られている。フランスのボーベの王立製作所では、19世紀までは1cmにつき10~16本の経糸がもちいられた。中国の絹の綴織は、通常1cmにつき24本の経糸で織られた。タピスリーのきめの細かさは、使用される素材によってもきまる。絹糸や毛糸が一般的だが、亜麻糸、木綿糸、金銀糸などもつかわれる。
タピスリーの緯糸は、織幅の端から端まで全部の経糸を貫通せず、図柄の境目でおりかえされる。そのため図柄と図柄の間にすきまができる。このすきまの両側の緯糸どうしをあわせたり、ついだりする方法がいくつかある。もっとも簡単なやり方は、すきまをのこしておくもので、逆方向からであう2本の緯糸が、隣りあう2本の経糸でおりかえされる。このすきまは、中国の剋糸(こくし)でおこなわれているように、あいたままになっていることもあるし、あとで縫いあわせられることもある。 別な方法では、両方の緯糸が同じ経糸でおりかえされる。この方法は、にじんだようなぎざぎざの輪郭によって簡単にみわけられ、結合部分で織物が厚くなる。16世紀のペルシャの絨毯(じゅうたん)などに、この方法がつかわれている。18世紀にゴブラン織製作所に導入された方法は、であった緯糸どうしが2本の経糸の間でからみあうもので、表面が滑らかにつながり、フランスの織物師にひじょうに重んじられた。 平織以外のタピスリーの技法には綾織(あやおり)がある。綾織では、緯糸が2本以上の経糸の上をわたってから、1本以上の経糸の下をとおり、斜めのうねが形成される。この技法は、有名なカシミア・ショール(→ カシミア)をつくるのにも、もちいられた。
ヨーロッパの伝統的なタピスリーは、竪機(たてばた)か水平機で織られている。竪機は、上下に2つの横木があり、その間に垂直に経糸がはられる。もっと一般的な水平機では、2本の巻棒に経糸が水平にはられる。
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