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哺乳類の中でも、枝分かれした角が特徴の偶蹄類の総称。骨質の角は毎年ぬけおちて、生えかわる。南北アメリカ・ユーラシア・北アフリカに分布する。ほとんどは、森林とひらけた土地が混在する地域に生息しているが、湿地や山岳地帯や北のツンドラにも生息する。 大きさは種によってさまざまで、肩高2.35mに達することもあるヨーロッパのヘラジカから、35cm程度にしかならない南アメリカのプーズーまである。はじめてシカが出現したのは、およそ3400万年前の漸新世初期のアジアである。
しなやかでひきしまった体と、起伏の多い森林地帯の地形に適応した長く力強い脚は、どの種にも共通し、泳ぎもうまい。下顎(あご)の臼歯のエナメル質には三日月状の隆起があるため、かたい植物をすりつぶすことができる。4室にわかれた胃をもっており、反芻をする(→ 反芻動物)。ほとんどの種が目の下に分泌腺(→ 腺)をもち、その強い匂いは縄張りをしめすためにつかわれる。とくに、オスは興奮したときに分泌がはげしくなる。ジャコウジカをのぞいて、胆嚢がない。ジャコウジカとキバノロは他の種とことなり、例外的に角がなく、上顎の犬歯が発達して牙になっている。
シカの枝角は、他の反芻動物の中空で脱落しない角とちがい、中身がつまった骨質である。カリブーを例外として、枝角はオスにのみあり、雄性ホルモンが成長をつかさどる。前頭骨から生えてきた枝角は、血管が集中し、細かい毛の生えた角袋とよばれる皮膚によって栄養をあたえられ、数カ月間かけて成長する。その成長には、多量のカルシウムを必要とする。成長がおわると血液の循環がとまり、その結果、死んだ皮膚は、木に枝角をこすりつけることでおとされる。 枝角は、縄張りをしめすために木に切り込みをいれたり、威嚇(いかく)したり、ほかのオスとたたかうときにつかわれる。闘いは形だけのもので害はないが、ときには大型の種で、枝角がからみあったために疲労や空腹で死んでしまう場合もある。→ 競争(生物):哺乳類の縄張り ヘラジカの枝角は、幅1.8m、重さ20kgに達する。絶滅したオオツノジカの枝角は、3m以上もあった。同じ種でも、その大きさは食料の質や量によって個体群ごとにことなり、頭数が多く食料の不足しがちな地域では、枝角は小さい。
多くの種で、メスを中心とした家族単位の集団をつくり、オスは単独ですごす。ジャコウジカやキバノロのように、おもにつがい単位で生活するものもある。アカシカの場合には、規模はまちまちだが、成熟したメスが群れをひきいる。カリブーは1000頭以上の群れをつくって、森林地帯と木の生えていないツンドラの間を移動する。 低木や若木の小枝・葉・樹皮・芽や、イネ科の草などの植物を食べ、とくに夕暮れ時に活発に餌(えさ)をとる。メスは年に1回、通常1~2頭の子をうむ。妊娠期間には幅があり、ジャコウジカは160日、ノロは10カ月で、ノロの妊娠期間が長いのは、受精卵の着床がおそいためである。子は低木の茂みにかくされ、体の斑点(はんてん)がカムフラージュとなる。アメリカ合衆国では、今や自然界にシカを捕食するものがいなくなったため数がふえ、雪の深い冬季、食料を食べつくし餓死することもある。そのため、場合によっては狩猟期間の調整もおこなわれる。
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