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項目構成
現代英語は、比較的語形変化が少ない。名詞には、所有格と複数にだけそれをあらわす語尾がある。動詞には、比較的古い語にみられる、語の内部の母音が変化する強変化(不規則変化)動詞(たとえばsing、sang、sung)と、過去時制をあらわす接尾辞 -edをともなう弱変化(規則変化)動詞(たとえばplay、played)とがあり、ほとんどは後者で、強変化動詞は66しかない。新しい単語は、例外なく弱変化形になる。三人称単数には、-sという語尾がある。英語の動詞の構造は、類似する言語の動詞の活用にくらべてかなり単純で、ほかには -ingや -enくらいの語尾しかない。また、haveやcan、may、mustのような助動詞を使用することもある。比較級や最上級は、単音節と2音節の形容詞では、larger、happiestのように活用し、その他の形容詞は、moreやmostをつける。英語の中でもっとも顕著に活用する品詞は代名詞で、主格(I、he、we)、所有格(my、his、her、our)、目的格(me、her、him)がある。
ギリシャ・ラテン以来の8つの品詞分類法(→ 品詞)が現在も主流だが、最近では、ちがう基準で分類する試みもおこなわれている。たとえば、ほとんどの単語を従来の分類でいう名詞、動詞、形容詞、副詞にだいたい一致する大きな4つの形態に分類し、それにあてはまらない154の単語を、文中の主要な語と語をむすびつけて相互の関係をしめす機能語とする分類である。機能語の多くは、従来の分類の代名詞、前置詞、接続詞にあたるもので、一部、副詞、形容詞、動詞に相当するものもある。
英語の発展の歴史は、通常、次の3段階にわけられている。(1)古英語(アングロ・サクソン語ともいう。449~1066年または1100年)。(2)中英語(1066または1100~1450年または1500年)。(3)近代英語(1450または1500~)。近代英語はさらに、1500~1660年を初期近代英語、1660年以降を後期近代英語として下位区分される。
古英語は、西ゲルマン語の一種で、現在の南デンマークと北ドイツにあたる地域にすんでいたアングル人、サクソン人、ジュート人といったゲルマン人たちによって話されていた。彼らは5世紀ごろにブリテン島に進出、伝承によるとジュート人がもっともはやく449年に到達した。彼らは、ブリテン島に植民して土着のケルト語を話す人々を北と西においやってしまった。そして時がたつとともに、古英語は、従来の大陸的な形態から独自に発展し、地域別の方言があらわれた。古英語の4大方言は、元来ジュート人が話していた方言であるケント語、サクソン人が話していた方言の分派であるウェスト・サクソン語、アングル人が話していた方言の下位区分であるノーサンブリア方言とマーシア方言である。ウェスト・サクソンのアルフレッド大王が全イングランドの最初の支配者となったことで、9世紀までにはウェスト・サクソン語が散文文学においてひろくいきわたった。しかし、方言をまぜたマーシア方言も、8世紀の作者不明の叙事詩「ベーオウルフ」や同時期の挽歌形式の詩などにもちいられた。 古英語は、屈折語で、強変化動詞や弱変化動詞の違い、人称代名詞の双数(2個または1対のものをあらわす語)、形容詞の2通りの変化形、名詞の4つの変化形、名詞の性などがあった。造語力は豊かだったが、語彙はとぼしかった。征服したケルトの言語からの固有名詞の借用はアバディーンやインチケープなどの地名にのこるぐらいで、普通名詞でもcart、downなど10語がケルト語語源であると考えられている。ケルト語のほかの言葉もつかわれていたであろうが、現代英語のケルト語語源、つまりウェールズ語やスコットランド・ゲール語、アイルランド語語源の単語は、比較的最近の借用である。 古英語期に導入された多くのラテン語単語は、ギリシャ語語源であるものが多く、140語くらいある。その例としては、alter、mass、priest、psalm、temple、kitchen、palmなどがある。そのうちのいくつかはケルト語経由で導入されたとされ、いくつかは、以前からラテン文化と交渉のあったゲルマン人によってブリテン島にもちこまれた。もっとも多くのラテン語単語をもたらしたのは、キリスト教の伝来である。その中には、教会用語だけではなく、ふつうの単語もふくまれていた。 約40あるスカンディナビア語(古ノルド語)由来の単語は、8世紀以来ブリテン島に侵攻した古代スカンディナビア人もしくはバイキングによって古英語に導入された。最初にはいってきた単語は、海や戦争に関係のあるものだったが、のちに、動詞areや現在ひろく使用されているtake、cut、both、illなどの一般的な単語もはいってきた。
1066年のノルマン・コンクエストまでさかのぼる中英語期の初頭、英語の語形変化はまだ豊富だったが、中英語期の終わりごろには、文を構成する単語間の関係は語形変化ではなくもっぱら語順によってしめすようになった。はやくは、1200年ごろ、名詞の3つないし4つあった単数の格語尾が2つにへり、複数をあらわすのに -esがもちいられるようになった。 名詞の活用はさらに単純化された。語形変化語尾の母音がすべて -e(現代英語のsofaのaのような発音)に統一され、また男性名詞の主格および対格複数語尾の -as(のちに-esになる)がほかの変化形や格語尾でもつかわれるようになった。現代英語にのこる古英語の複数語尾をもつ語は、oxenだけである。また、語幹の母音変化で複数をしめすman・menやfoot・feetなども、古英語の母音交替のなごりである。 語形変化語尾が一様化するにしたがって、英語の文法上の性の区別はなくなった。中英語期には、双数は使用されなくなり、代名詞の与格と対格は同じ形になった。さらに、英語古来の3人称複数であるhie・hemはスカンディナビア語由来のthey・themにかわり、who、which、thatが関係代名詞の機能をもつようになった。動詞の活用は、語尾の脱落や、強変化動詞の過去時制が単数・複数とも同じ形になったことで、単純化していった。 中英語期初頭に、egg、sky、sister、window、getなど多くの実用的な単語が古ノルド語からはいってきた。ノルマン人はまた、別の種類の言葉も英語の語彙にくわえた。1250年までに約900の新語があらわれたが、それはおもに、baron、noble、feastなど、アングロ・サクソンの下位階級の者が、ノルマン人の貴族階級とつきあうのに必要だった語である。ノルマン人の貴族階級や聖職者たちは、英語をまなんではいたが、行政、教会、軍事、司法、さらには芸術、学術、医学などに関する用語を結局フランス語から導入した。 古英語のマーシア方言から派生した中部方言が、その地域が大学、経済、宮廷などの中心地へと発展した14世紀中に、重要な方言になった。中部方言の下位区分である東中部方言が、首都ロンドン全域にわたる言葉になり、テムズ川の南、ケント州やサリー州にまでひろがっていた。東中部方言は、政府で使用するようになり、14世紀の詩人チョーサーやガワーの作品で普及し、カクストンによって印刷に採用されたことなどで、ますます影響力を強めた。このようにして、東中部方言が現代英語にまで発展することになった。 この言語形成期にも、その他の中英語の方言は存在しつづけ、その系統の方言は20世紀でも話されている。たとえば、スコットランド低地方言は、中英語の北部方言が発達したものである。
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