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カニ

カニ(蟹) Crab
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

エビと近縁の甲殻類で、短くなった腹部と広がった体をもつ。大半は海底に生息するが、淡水にすむものや、陸にあがるものもいる。

II

特徴

進化の過程で横向きに歩いたり、走ったりできるようになり、さらに、泳ぐだけでなく、穴をほることもできるようになった。体はキチン質の甲皮つまり甲殻でおおわれ、ふつうろうをひいたように滑らかである。短くなった腹部は、卵をだくのに役だつ。体節には付属肢が数対あって、ふつうは4対が歩行用、2対が触角としての役目をはたす。1対のはさみをもち、食物の採取や防御、ディスプレーにつかわれる。

甲殻類の中で、カニは「高等な」動物である。かなりの大きさに達する。最高記録はタカアシガニで、長く細い脚を広げると3.6mにもなる。複雑な神経系をもつ。生息環境の変化にたえることができ、きびしい生息環境でもたくさんみられる。食性はさまざまである。

複雑な行動パターンをもち、たいていは活動的である。複眼をもち視覚がすぐれている。嗅覚味覚もよく発達していて、食物や交尾の相手を識別できる。生殖行動や社会的行動では、複雑な求愛儀式をおこなうことや、はさみを打ちならしたり、ゆすったりするなどのコミュニケーション法がある。仲間の間ではおたがいに攻撃的で、オスはしばしばメスをめぐってあらそう。

III

ライフサイクル(生活環)

すべての種が雌雄異体である。多くの場合、メスが脱皮したばかりで、新しい甲殻がまだかたくならない時期にしか交尾しない。卵は小さなゾエア幼生で孵化(ふか)する。幼生は水中を泳ぎまわる。

ゾエア幼生は、成体とはまるで似ていないが、次に、腹部はまだめだつが成体に近い形態のメガロパ幼生になる。その後、稚ガニとなり、何回も脱皮して、そのたびにかなり大きくなるが、やわらかいうちは危険にさらされる。はさみや脚をうしなっても、脱皮のときに新しいものに生えかわる。寿命は3~12年である。

IV

種類

カニは種群が多すぎるので、重要なグループを2、3だけあげることにする。クモガニ類は長い脚と幅のせまい体をもち、自分の体に海藻貝殻をかざりつけて姿をかくすものもいる。イワガニ類は丸みのある四角形の体をもつ。ワタリガニ類は扁平な遊泳脚をもつ。カクレガニ類は小型で、カキなどの二枚貝の中で生活する。穴をほってすむシオマネキのオスは、片方のはさみだけが大きく、求愛や攻撃につかう。イソガニは海岸の満潮線近くの岩の下にすむ。オカガニは熱帯や亜熱帯に生息する雑食性で陸生のカニで、海まで移動して幼生を放出する。

多くのカニは食用となり、その肉は高タンパク低脂肪である。カニ漁が商業的に成功するためには、カニが豊富にいて、籠(かご)や網などをつかってやすい費用でとれなければならない。現在では、乱獲や公害や経費の高さのため、漁獲高がふえる見込みは少ない。

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